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Jerry Lynn

俺の心のこの一枚  (ジェリー・リン編)

 

プロレスラーの中には、音楽好きが結構多い。まあ、毎週のように長時間の移動をしなければいけない iPod 必須の生活をしているからこそ、音楽に接する機会も多いのかも?もちろんワークアウトをする時にも音楽は欠かせないハズ。普段着や練習着を見ても、メタル T 着てる人なんかもいるし!そんなわけで音楽好きの一人として、レスラーが一体どんな音楽を聴いているのか調査開始することにしました。コーナー名はずばり、「俺の心のこの一枚」。

記念すべき第一回目は、40代半ばにして「俺はメタラーだ」と言い切るジェリー・リン御大の登場!

ジェリー: 最近気に入ってるアルバムはね、なんと言っても All Shall Perish の新譜 “Awaken The Dreamers” 。もちろん、ジャンルはメタルなんだけど、何て言ったらいいのかな、色んな要素が詰まっていて○○メタルって一言では言い表せないんだ。

――ではニューメタルみたいな感じですか?

ジェリー: いや、ニューメタルとも違うんだよね。基本はデスメタルっぽいんだけど、途中でヒップホップっぽいフレーズが入ったりするんだよ。で、ギターの音がヨーロピアンメタルっぽいわけ。細かく言えば、スウェーディッシュメタルっぽい!そこがとっても気に入ってるところ。

――スウェーディッシュメタルっぽい、ってすごく通な意見なんですが(笑)、メロデスっぽいってことですか?

ジェリー: そう、すごくメロディアスなんだけど、メロデスと言い切れるほど単純ではない (笑)とにかくこういう感じ、と説明できないほど色んなものがうまく混ざり合ってるんだ。すごく良いよ、ぜひ聴いてみて!

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【文:Shiori】

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ジェリー・リン インタビュー/Jerry Lynn Interview

 

――試合前(2008年10月25日ROHエジソン大会)の貴重な時間を割いていただいて恐縮です。今日はROHでレギュラー参戦しているジェリー・リン選手に、プライベートの事やプロレスに関していろいろとお聞きしたいと思っています。よろしくお願いします。
ジェリー・リン(以下ジェリー): はいはい、こちらこそよろしく。あーあのさ、このあとエナジードリンクを買いにコンビニまで行きたいんだけど、そこまでキミの車に乗せて貰ってもいいかな?

――はい、もちろんです。車で一緒にコンビニまで行けるなんて逆に嬉しいくらいです。
ジェリー: ハハハッ。たすかるよ、ありがとう。

――では初めに、やはり子供の頃はプロレスファンでしたか?
ジェリー: そうだね。6歳の時に初めてプロレスを見て以来、プロレスファンだね。それから毎週末にプロレスを見るようになったよ。

――当時好きだったレスラーは誰ですか?
ジェリー: 6歳の頃?(笑)当時はバロン・フォン・ラシクとかマッドドッグ・バションとかかなぁ。

――オールドレスラーばかり。かなり古い話ですね。
ジェリー: (苦笑いしながら)おー、それはどうもありがとう。

――長年グッドシェイプを保っているジェリー・リン選手ですが、やはり食事には気をつけていますか?又、好きな食べ物などありますか?
ジェリー: 結構何でも食べるんだけど好きなものと言えばイタリア料理かな。もちろん食事には気をつけているよ。でもそこでガチガチになるんじゃなくて、週に何度かはその時に食べたいものを食べたりしてるんだ。あれはダメだとかそんなにクレイジーにはなってないよ。

――ということは、毎日規則正しく生活をしているということですね。毎日決まった時間にトレーニングをしたりとか?
ジェリー: どちらかと言えば規則正しい方だね。いま2歳になる娘がいるんだけど、たいてい朝は彼女の世話をしているかな。それと家の事でやらないといけないことがあればそれをしてる。そうしているうちに妻が仕事から帰ってくるから、夕食を食べて、その後にジムへ行く。

――ジムは夜に行くのですか?
ジェリー: そう、ほとんど夜だよ。ジムから帰ってきたら、あとはリラックスして寝るという感じかな。

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――ところでヘビーメタルが大好きだという話を小耳に挟んだのですが、それは本当ですか?
ジェリー: YES。ヘビーメタルなら何でも好きなんだけど、デスメタルが一番好きなんだ。

――デ、デスメタル?!
ジェリー: モーティシャンとかダイイング・フィータス、イモレーションとか。あとハードコアも好きなんだけど、ヘイトブリードとかオール・アウト・ウォーとか。あとブラックメタルも好きなんだ。でも俺の好きなのはラジオじゃ絶対にかからないようなバンドばかりで、君達が聴いたこともないようなものばかり聴いてるよ。

――えっと実は私達もデスメタル好きなんです。ベヒモスとかナイルとか…。基本どころでヴェイダーとか。
ジェリー: オーー!YES!!ベヒモス!俺もすごーく好きだよ。彼らは最高!ナイルも良いし、ヴェイダーは基本だよね(笑)

――そう言えば普段着ているTシャツにメタルっぽいデザインが多いようですが。
ジェリー: そうね。完全に個人的なセンス。好きだから着てるんだ。

――ではここから日本のことについてお聞きします。ゴルゴダ・クロス名義で日本へ行ったこともありますが、何か日本の思い出などあれば教えてください。良い思い出、悪い思い出のどちらでも構いません。
ジェリー: 悪い思い出?!基本的に日本での悪い思い出なんか無いけど、強いて挙げるとしたらこの話かな。えーと、長崎に巡業で行ったんだけど、アメリカは第二次世界大戦中に長崎へ原爆を落としたでしょう?そういうこともあって、あまり歓迎されていない印象を受けたんだ。特に年配の人達と接すると、やはり目の奥に悲しみが見て取れるんだよね。だから悪い思い出というと語弊があるけれど、悲しい思い出と言ったらいいのかな…。このことはよく覚えているよ。でもそれ以外は長崎の滞在も楽しかった。ライトニング・キッド(現在のXパック)と一緒に岬にある灯台へ行ったんだけど、そこから見た夕陽はとても綺麗だったなぁ。今までに色んな所を訪れているけど、あそこが一番美しい場所だったよ。

――日本ではかなり各地を回っていますよね?
ジェリー: そうだね。ユニバーサルに参戦していた時には、北海道の小さな町にも行ったよ。日本中を巡業したんだ。あの時は仙台からフェリーに乗って北海道まで行ったんだよ。

――では日本以外にも色々な国を回っていると思いますが、何か思い出に残るエピソードなどありますか?
ジェリー: 世界中って言ったら、それはもうたくさんあるよー。悲惨な話だと、たいていプロモーターがショーをキャンセルしたとかギャラが貰えなかったとか、怪我をしたとか。怪我をしたらその間試合ができないわけで、稼ぎもなくなっちゃうからね。逆に良い話と言ったら、これも日本での話になるんだけど、試合で観客が沸いた時に、足で床をバタバタ~ってやるじゃない?あれを自分の試合でやってもらうのがちょっとした夢だったんだよ。初めてあれを見た時に、まるで会場に雷が落ちたような大きな音が鳴り響いて、これは凄い、と。で、みちのくプロレスでマスクマン対決として愚乱・浪花と試合をした時に、会場全体にストンピングの嵐が起きたんだ。あれは今までのキャリアの中で、ハイライトと言っても過言ではないよ。

――これまでECW, WCW, WWF,TNAなど多くの団体に参戦していますが、最近になってROHのリングに上がるようになりました。ずばりROHという団体についてはどう思われますか?
ジェリー: ずばり、素晴らしい団体だと思う。どう考えたって、世界トップレベルのレスラー達が揃っているんだからね。それに可能性も多く秘めている団体だと思う。今、テレビで見ることのできるプロレス団体は、はっきり言ってプロレスはしていないでしょ?WWEだって自分たちのことはプロレス団体とは言ってない。はっきりと“エンターテイメント”って言い切ってるしね。俺自身は、レスリングが好きなんだ。もちろんエンターテイメントのある部分は好きだよ。でも基本はレスリングなんだ。ROHは、皆がテレビでは見ることのできなくなったレスリングを見せてくれる団体だと思うよ。

――ある噂ですと、あなたがTNAを辞めた理由は、エンターテイメントではなくレスリングがやりたいからだ、ということらしいですがそれについては?
ジェリー: それもあるけど、実際は2週間分のテレビ収録があったにも関わらず、その分のギャラをTNAが払ってくれなかったからなんだ。それで「よし、もういいや」と思って辞めたんだ。

――そうだったんですか。もっとシビアなことだったんですね。では、最近日本のプロレスはチェックしていますか?
ジェリー: 最近はあまり見ていないんだよね。もう何年も前の情報で止まってるなぁ。実はね、昔の全日本が好きなんだ。ハンセンとかがいた頃の。ファンもすごく熱かったでしょ?あの頃は良かったなぁ。

――では好きな日本人レスラーはいますか?
ジェリー: そうだなぁ…。獣神サンダーライガーにはかなり影響を受けたね。あと蝶野も好きだよ。そしてもちろんムタもね。もっとも俺の言ってるのは昔の、ってことだけど。アメリカもそうだけど、日本でもプロレスが色々変わっているからね…。

――では長いキャリアでありながらも、以前と変わらず体型を維持し、スタミナやスピードも衰えない秘訣を教えてください。失礼ですが、どうやったらその年でそこまでのクオリティを維持できるのですか?
ジェリー: ハハハッ。まず、トレーニングで妥協しないこと。俺は特に体が大きいわけでもないし、力があるわけでもないから、とにかく持久力や耐久性を付けないといけない。そうでなければ、技を受けたらすぐにくたばっちゃうでしょ?(笑)それに耐久性を付けていかないと、ダメージや疲労がどんどん蓄積されていっちゃうからね。とは言うものの、技を受けるのはキツいよ(笑)体の方が悲鳴を上げて、そろそろスローダウンしたり、セミリタイヤを考えろって言ってくることもあるけど(笑)まあ俺自身は引退するつもりは全くないけどね。

――時には自分の息子と言ってもいい年齢のレスラーと試合をすることもあるかと思います。若者達の思考や行動はあなたの世代とは全く違う部分も多いかと思いますが、そういった若いレスラーを見て感じることはありますか?
ジェリー: もっと頭を使ってレスリングをしろ!と言いたいね。というのは、彼ら自身がハードルを高くしていっている。つまりレスリングを危険なものにしていっているんだ。危険な技を出すことで、ファンの求める物もより危険なものになっていく。その結果、自分達が危険な目に遭う確率が高くなる。で、もっと危険な技を出す、そしてファンがそれ以上のものを求める…これの繰り返し。これはレスリングと言えるのか?最近の若いレスラーの中には、まるで中国のアクロバットみたいな動きを出すのもいる。でもそれって果たしてレスリングなわけ?技を出せば良いという訳じゃないんだ。高い所に上って、そこから飛べば満足か?でもそれをやる前に、果たしてそれってレスリングなのかを考えて欲しい。そう思わない?

――同感です。レスリングの基本も全く出さずに、まるで体操選手のような動きばかりをするレスラーをたまに見かけますが、私もそれはレスリングだとは思いません。
ジェリー: そう。体操競技なら、そういう動きばかりをするのも当然。だけど、俺のやってるのはレスリングだよ。プロレス。ただ自分のできる技ばかり出して、なんだか飛んだり跳ねたりしてさ、全くフォールをしたり“試合”という概念とはかけ離れたことをしている奴らが多いんだよ(ため息)

――是非そういった若い選手に、レスリングとはどういうものかを指導していっていただきたいです。あなたに言われたらかなりの説得力あるはずですからっ!
ジェリー: なるべくそうするようにはしてるんだけどさ、あいつらって、右の耳から聞いて、左の耳からすぐに出てっちゃうから(笑)最近の若者って(笑)

――日本のファンにメッセージをお願いします。
ジェリー: 俺はまだまだ引退しないし、いつか近いうちに日本に行けることを楽しみにしているよ。

――それでは最後の質問です。あなたにとってプロレスとは何ですか?
ジェリー: 完成することのない芸術作品だね。

 

インタビュー後、エナジードリンクを買いにコンビニへと消えていくジェリー・リンの後ろ姿が、たまらなくかっこよかった。気さくでお茶目で45歳のデスメタル好き。精神的な若さが表情からもリング上の試合からもびんびんに伝わってくる。そして、これからも“本物のいぶし銀”ジェリー・リンがリング上で見せる完成することのない芸術品の数々を、できるだけ多く目に焼き付けていきたいと思った。

【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ジェリー・リンvsクラウディオ・キャスタニョーリ/Jerry Lynn vs Claudio Castagnoli

 

2008年10月24日 ROHコネチカット大会

来月、ベロシティ・プロレスリングでジェリー・リンとケニー・オメガという楽しみなカードが組まれたということで、今回はジェリー・リン絡みの試合をレビューしてみたいと思います。とその前に、ジェリー・リンといえばアメプロファンには馴染み深いレスラーですけれどもここで簡単に経歴を紹介します。

88年、地元インディー団体でプロデビューしたジェリー・リンは、95年にWCW(World Championship Wrestling)と契約。ディーン・マレンコや故クリス・ベノワと共にクルーザー級戦線で活躍。同年7月、みちのくプロレスの第1回ふく面ワールドリーグ戦にゴルゴダ・クロスとして参戦。愚乱・浪花に敗れて素顔をさらす。97年からECW(Extreme Championship Wrestling)に参戦。ロブ・ヴァン・ダムを相手に名勝負を量産。2000年にはジャスティン・クレディブルを破り、第30代のECW世界ヘビー級王者に就く。2001年にはWWF(現WWE)へ移籍。同年、クラッシュ・ホーリーを破り、WWFライトヘビー級王者に就く。2002年からTNA(Total Nonstop Action Wrestling)と契約。同年にはAJスタイルズを破りXディヴィジョン王者に就く。TNAのロードマエージェントを兼任。2007年からはフリーとして各インディー団体へ参戦。現在はROHにレギュラー参戦中。45歳現役。

で、ここからレビューです。
長身のクラウディオと並ぶと一段と小さく見えてしまうジェリー・リン。しかし、グッドシェイプされた肉体は全く歳を感じさせない。両者ロックアップから静かに試合が始まる。会場からは「ジェリー!ジェリー!」の大コール。クラウディオがヘッドロックから寝技に持ち込みねちっこい攻めを見せる。両者立ち上がりジェリー・リンがロープに振られると、フライング・ヘッドシザースからウラカンラナと繋げクロウディオを場外へと投げ飛ばす。技の一つ一つが確実でキレイ。客からはヒールのクラウディオに対してものすごい罵声が浴びせられる。

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リングへと戻ったクラウディオはロックアップしようとするが、すんなりジェリーにかわせれる。エルボーで反撃するも、客からは以前としてブーイングの嵐。コーナーに叩きつけられたジェリー・リンはエプロンにエスケープ。立ち上がりざまにクラウディオがヘッドバットを出す。それをまたすんなりかわしたジェリーは、その場ジャンプで足をクラウディオの頭に絡ませ、そのまま場外へと雪崩式に投げ捨てる。

エプロンから助走をつけながら場外のクラウディオめがけて飛びつきウラカンラナ。捨て身の技でも一切躊躇ない動きを見せるジェリー。完璧に試合をコントロールしている。両者リングに戻り、ヨーロピアンエルボーとストンピングで反撃するクラウディオだったが客からまた大ブーイング。明らかにやりにくそう。めげずにヨーロピアンエルボーを連発する。客からのブーイングで攻撃のリズムが取れないのか、技が単調になるクラウディオ。

場外へ降りたクラウディオは、コーナーの鉄柱めがけてジェリーの足を何度も叩きつける。痛めつけたジェリーの左足にストンピングの嵐。続けざまにスピニングトーホールドから足四の字固めへと移行。ファンを煽るようにマットを叩きながら足四の字固めを裏返すジェリー。たまらずクラウディオがロープエスケープ。立ち上がってからクラウディオの得意技ジャイアントスイングでもツーでキックアウト。

コーナーに上ったジェリーめがけてクラウディオが突進していくも寸前でかわされる。最後は一瞬の隙をついてジェリーがスモールパッケージホールドでまるめこんでピン。ぎんぎらぎんにいぶし銀な終わり方だった。ここしかないというタイミングでのスモールパッケージ。一瞬の逆転劇だった。

 

まず、どう見たって45歳の動きではないです。いつも何を食べているのか、グッドシェイプの秘訣、どんな練習をしているのかと、改めて興味がわいてきました。そして、この圧倒的なファンからの人気もうなずける説得力ある技の数々。これからもずーっとROHでレギュラー参戦して欲しいなと心から思った次第。ということで後日、ジェリー・リンのインタビューを掲載する予定です。お楽しみに。

【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ベロシティ・プロレスリング情報

 

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ベロシティ・プロレスリング(VPW)とは、フィラデルフィアを拠点としたインディー団体で、先日ROHを退団したゲーブ・サポルスキーらと共にRFビデオ(プロレス専門のビデオ配給会社)を設立して2004年までROHのプロモーターを務めたことでも有名な、あのロブ・ファインスタインがブッカーなのです。そのベロシティ・プロレスリングが、12月20日にフィラデルフィアの旧ECWアリーナで興行をうつとのこと。今のところジェリー・リン対ケニー・オメガという楽しみなカードが発表になっている。そして、怪我でプロレスを半リタイア状態になっていたアメージング・レッドが、今後のVWPに参戦するのではという噂もあるという。ROHにも浅からぬ関係にあるロブ・ファインスタインの団体VWPと、新体制になったROHの行方を対比してみるというのも一つの見方ではあるが、実際の興行内容とは一体どういったものなのか、今後マンハッタンドロップでも注目してみたいと思います。

【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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