8月29日 チカラプロ ”Young Lions Cup VIII – Night 3″ @ペンシルバニア州リーディング
ゴッサムシティから抜けだしたジョーカーのようなメイクで入場の矢野啓太。どういった経緯でこういう顔になったかは一切不明。関わると面倒なことになりそうな人オーラがでまくりで、そのサイコな雰囲気に観客の反応はかなり引き気味だった。
ゴング前に握手をする両者。あまり表情がかわらず冷静なところを見せる矢野に比べて、グリーンアントはかなりナーバスになっているのがそのマスク越しからもハッキリと見て取れた。
矢野がグリーンアントの首を取り、そのまま上になって今度は腕を極めようとするがロープエスケープ。矢野がすかさずマウントを取って流れるような動きでグリーンアントの左足を極めにいく。するとグリーンアントも矢野の左足を取って極めにかかる。グラウンドのまま2人はしばらく膠着状態に。
グリーンアントがヒールホールドを仕掛けると矢野はすかさずガード。STFから抜け出したグリーンアント。チョークスリーパーで矢野の首を締め上げていく。この時点で飛び技やロープワークは一切なし。柔術を習っていたということは聞いていたがグリーンアントがここまでグラウンドに対応できるレスラーだとは正直意外。今まで(ルチャスタイルの)チカラプロでは観ることの出来なかったプロレスが展開されていく。
中盤をすぎると徐々にグリーンアントに疲れが見せはじめる。グリーンアントの触覚を掴んでアントンばりに顔面をマウントパンチしそうになる矢野だったが、レフェリーから触覚はダメと注意が入る。
笑いながら腕を極めにいく矢野。不気味すぎる。観客も、え?何で笑ってんの?といった反応。矢野ワールド全開である。エルボーでグリーンアントの脇腹あたりをグリグリする矢野。いやらしい技で執拗に攻めつづける。このあたりから矢野の一方的な攻めが目立つようになる。
しかしフィニッシュは突然やってくる。矢野がグリーンアントをコーナーにつめると、そのままカーフブランディング(仔牛の焼印押し)が見事にヒット。すると、グリーンアントがピクリとも動かなくなり、矢野がカバーに入ってスリーカウント。
左腕を押さえながら悶絶するグリーンアント。それを見かねたセコンドのファイアーアントとソルジャーアントがリングに入ってくる。グリーンアントの左腕がぼっこりと腫れているのが見える。どうみてもアクシデント。会場がただ事ではない雰囲気になって静まり返ると、矢野が上を見上げて両手を合わせるボーズ。恐ろしいレスラーだと思った。この状況でもなおヒールに徹するプロレスラー矢野のプロ根性。状況判断が問われるアクシデントで、キャリア3年の矢野がとった行動は、いつもの「まァ!」だった。これには是非が当然あると思うが、とても難しいところだろう。
試合を振り返ってみて、グリーンアントの敵に食らいついていくハートの強さが印象に残った。力の差はあったにせよ、グリーンアントのプロレスに対する姿勢みたいなものが前面に出ていた試合だった。しかし最後がアクシデントで終わってしまったことに関しては正直残念でならない。試合後の診査の結果、左上腕の骨折ということでグリーンアントはしばらく離脱するだろう。これをステップにまた一つ大きくなって欲しいし、真の決着という意味でも両者がまたどこかで戦うべきだと思う。にしても矢野啓太、恐ろしいレスラーである。






















