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  • CZW Tournament of Death X (Semi Finals)


    6月25日 CZW Tournament of Death X @マークランド・エーカース・ファーム デラウエア州タウンゼンド

    1) ”ザ・ブルドーザー” マット・トレモント vs. MASADA (準決勝)
    額に大きな絆創膏を貼ったMASADAが入場。お客さんからの「MASADA!」チャントが鳴り止まない。”ザ・ブルドーザー” マット・トレモントはショッピングカートを押しながら入場。カートの中には蛍光灯、サインボード、バットなどが入っている。頭に画鋲がぎっしりと刺さったままのブルドーザーは、試合前から流血している。エルボー合戦からブルドーザーがMASADAをコーナーに振る。ブルドーザーがMASADAにドロップキック、そして足で顔をグリグリ攻撃。

    MASADAは金ブラシでブルドーザーの頭をゴシゴシ。さらに腕と背中に金ブラシを押し付ける。地味に痛そう。横にしたショッピングカートにブルドーザーをバックドロップ。頑丈なカートがしなる。MASADAはコーナーに詰めたブルドーザーにショッピングカートを勢いよくぶつける。ブルドーザーの大きなお腹にジャストミート。するとMASADAがバケツに入っていた剣山をリングにばら撒く。お客さんから「イエーイ!」と大歓声が上がる。

    しかしブルドーザーが剣山めがけてMASADAをパワーボム。その際にMASADAが右足首を痛めてしまう。そんなことはお構いなしのブルドーザー。剣山を口に加えたままMASADAの額に噛みつき攻撃。ま、自分も痛いわけだが根性を見せるという意味では素晴らしい技だ。さらにチーズおろし器でMASADAの額を削りはじめる。チーズの代わりにMASADAの血が垂れてくる。

    MASADAは剣山を3個ばかしブルドーザーの頭に突き刺す。頭に剣山が刺さったままのブルドーザーにビッグブーツ2連発。椅子で叩いて剣山を頭に押し込むMASADA。あんた鬼だ。ブルドーザーはMASADAをシットダウンパワーボム。バットと椅子で殴り、MASADAをショッピングカートの上に寝かせる。ブルドーザーはボディプレスを狙うが誤爆してしまう。するとMASADAは、椅子のパイプ部分をブルドーザーの首にひっかけて変形のSTF。ブルドーザーの意識が遠のく。レフェリーの呼びかけにも反応がなくゴングが鳴らされる。MASADAが決勝戦進出。

    惜しくも決勝進出を逃したザ・ブルドーザーことマット・トレモント。デスマッチにかける根性は素晴らしいものがあった。

    2) 沼澤邪鬼 vs. 竹田誠志 (準決勝)
    日本のデスマッチを直輸入する形となった沼澤と竹田の一戦(有刺鉄線ボード&蛍光灯&画鋲デスマッチ)。エントランスへ向かう竹田の表情は緊張ぎみ。対する沼澤には余裕がうかがえた。いきなりお互いの頭を蛍光灯で殴り合う。「パン!パン!パン!」と餅つきみたいにリズムがいい。沼澤が「ジャパニーズスタイル!」と叫ぶ。沼澤は蛍光灯の破片で竹田の額をグリグリ攻撃すると、袋に入っていた画鋲をリングにばら撒く。お客さんが異常にヒートアップ。

    しかし竹田が切り替えして画鋲の上に沼澤をスープレックス。そしてコーナーの沼澤に蛍光灯を抱えたままタックル。竹田は自分もダメージを負ってしまう。沼澤は有刺鉄線ボードへ竹田を投げつける。「バリバリ!」というボードが割れる音と、竹田の「ウガー!」という叫び声が辺りに響く。リング下からテーブルを取り出した沼澤は、竹田をテーブルに寝かす。コーナーへ上ろうとする沼澤を竹田がキャッチしてテーブルに投げ落とす。テーブルは粉々。

    最後は竹田が沼澤を有刺鉄線ボードの上にジャーマンスープレックスホールドでしとめてスリーカウント。ビックリするほど綺麗なジャーマンスープレックスホールドだった。日本人によるキチ●イファイトは竹田誠志の勝ち。TOD初出場にして決勝進出という快挙を成し遂げた。

    (Final Match)につづく


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  • CZW Tournament of Death X (Round One)


    6月25日 CZW Tournament of Death X @マークランド・エーカース・ファーム デラウエア州タウンゼンド

    ニューヨークから車で約3時間のデラウエア州タウンゼンド。ハイウェイを下りて林道を抜けると、そこにはなーんにもない空き地が現れた。野球場ほどの広さはある会場エリアには、既にリングが設営されてあり、その隣には売店や特設トイレも完備。駐車場ではテールゲートパーティー(試合前にビールを飲みまくる)をするファンたちが数多くいた。これから血みどろな試合が始まるとは想像もできないほどユルくのどかな雰囲気だが、一方バックステージではお客さん持ち込みのデスマッチアイテムが山のように集められ、一種異様な光景だった。

    試合開始の2時間前、CZWスタッフによるデスマッチアイテム作りを見学させてもらうことに。蛍光灯、画鋲、剣山、バット、竹刀、水のタンク、ドラム缶、有刺鉄線、それにガラスボード。建設現場か廃材置き場と間違えそうなバックステージだ。経験の浅いCZWフタッフが、蛍光灯の束を作ろうと試行錯誤していると、大日本プロレスのレフェリー李日韓さんが手際よくアシスト。そこで急遽、李日韓先生によるデスマッチアイテム作りのワークショップが開講。デスマッチアイテムを作るにも経験と技術が必要なのだ。

    試合前からビールをがぶ飲みするネクロ・ブッチャーは、「今日は暑くて汗をかくから、ビールと水を交互に飲むのがいいんだ」と聞いてもいないのに語りはじめる。まったく意味が分からないが、もしかしたらその通りかもと思わせてしまうから不思議な人だ。試合時間が近づくと、お客さんがぞくぞくと席に着く。

    1) ディスファンクション vs. MASADA (一回戦)
    ディスファンクションの奇襲で試合が始まる。ファン持込みアイテムを使ってのデスマッチということで、リング上には様々なファン自作デスマッチアイテムが散乱している。ディスファンクションがフォークでMASADAの額をメッタ刺し。流血したMASADAは、ゴミ箱のフタでディスファンクションの頭を殴る。CZWと書かれた太鼓を、フラフラになったディスファンクションの頭に振り落とす。すると太鼓がディスファンクションの頭にすっぽりとイン!MASADAの眼が一瞬にしてキラーの眼になる。

    こんどはディスファンクションの頭めがけてギターをフルスイング。「バッコーン!」という枯れたいい音がする。MASADAは有刺鉄線が巻きついたパイプ椅子に、ディスファンクションを投げつける。ディスファンクションは大流血。MASADAが鬼神のような怒涛の攻めを見せる。場外でファンから渡されたサインボードを投げつけるがMASADAにカットされてしまうディスファンクション。リングに上がったMASADAは、マンハッタンドロップが持参した「焼き鳥の串」を取り出し、ディスファンクションの腕や頭にブスブスと刺しまくる。MASADAがまるで必殺仕掛人の藤枝梅安みたくなっていた。最後はMASADAがディスファンクションを担ぎ上げて、場外のテーブルにデスバレー・ドライバー。そのままスリーカウントが入り、MASADAの準決勝進出が決まった。

    2) ”ザ・ブルドーザー” マット・トレモント vs. ネクロ・ブッチャー (一回戦)
    試合前にビールを1ダースほど飲んでいるネクロ・ブッチャー。「ビールはエナジードリンク」や「俺にとってビールはエアー(空気)みたいなもんだから無いと困る」という名言を残してからリングへ。この日も裸足にボロボロのジーンズ姿だ。いきなり椅子をがんがんリングに投げ入れる。ここで早くも大「ネクロ!ネクロ!」チャントが発生した。ネクロはブルドーザーをコーナーに投げてパンチ攻撃。ブルドーザーもパンチで反撃すると、「カモーン!オールドマン!」とネクロを挑発。確かに見た目はオッサンだがネクロはまだ40歳前。歳のことを言われカチンときたのか、ネクロは椅子を向かい合わせにセットすると、タイペイスタイルのグーパンチ合戦を要求!

    デビューして1年も経たないブルドーザーは、ネクロの顔面にフルスインググーパンチ!「バツン!」といういやーな音が。しかしビール飲んで感覚が麻痺しているのか、ハードパンチを食らってもネクロはビクともしない。お返しとばかりにネクロもブルドーザーの顔面にグーパンチ!こんどは「ドンッ!」という鈍い音。するとブルドーザーは気持よさそうな表情でリングに崩れ落ちる。グーパンチ勝負はネクロに軍配が上がった。

    二人は客席に雪崩込んで大乱闘。ネクロは相手の背中に椅子をあてがえて、そのままボディスラム。さらに客席をねり歩くと、お客さんのクーラーボックスをブルドーザーに投げつける。ネクロが場外でフォールするが、ブルドーザーがツーでキックアウト。リングに戻ると、ネクロが棒の先に空の水ボトルがついたアイテムでばこばこ殴る。そしてなんとネクロは、客のビール瓶をブルドーザーの頭に思いっきり叩きつけたのだ。ビール瓶は割れて中身が吹き出す。当然ながらブルドーザーの頭は大出血。これが路上なら普通に警察沙汰である。

    ブルドーザーは画鋲バットでネクロの足の裏を連打。ネクロも画鋲バットで反撃するが、ブルドーザーがネクロを椅子の上にパワーボム。ぐにゃっと椅子が変形する。ブルドーザーは空の水ボトルでネクロの頭をボコボコに殴ると、コーナーからダイビング・ヘッドバット。そのままスリーカウントが入り、”ザ・ブルドーザー” マット・トレモントが準決勝進出。このマット・トレモントは思いっきりがイイ。むしろ良すぎるくらい。要注目選手である。

    3) 沼澤邪鬼 vs. ダニー・ハボック (一回戦)
    沼澤は蛍光灯の束を持って入場。ハボックは右手に蛍光灯を括りつけて入場。蛍光灯セレブレーションマッチと題されたこの試合、リングサイドには電球やクリスマス用のガラスボール、リングコーナーには蛍光灯の束が設置してある。ハボックはジャンピングエルボーで腕に括りつけた蛍光灯を沼澤にヒットさせる。沼澤は額から流血。ハボックは沼澤を蛍光灯の上にボディスラム。ハボックがムーンサルトプレスを狙いにいくところを、沼澤が蛍光灯をフルスイングして阻止。蛍光灯の破片が客席付近へふっ飛ぶ。

    沼澤はイス攻撃を失敗すると、逆にハボックが椅子の上でエースカッター。沼澤はハボックを蛍光灯の上でリバース・パイルドライバー。しかしハボックはツーでキックアウト。同じようにハボックも沼澤に長い蛍光灯の上でリバース・パイルドライバー。沼澤もツーでキックアウト。

    ハボックはコーナーから場外のガラスボールへブレーンバスターを狙うが、ミスター・トフィガが蛍光灯を持って突如乱入。ハボックの背中に蛍光灯を叩きつけると、チョークスラムで場外のガラスボールに投げ捨てる。観客から大ブーイングを食らうミスター・トフィガ。沼澤は蛍光灯で出来た建造物にハボックをパワーボム。蛍光灯の破片がリング上に散乱する。しかしハボックはツーでキックアウト。観客から「ダニー!ダニー!」チャント。最後は沼澤が蛍光灯の上でハボックをパイルドライバー。そのままスリーカウントが入り沼澤が準決勝進出。

    4) 竹田誠志 vs. スコッティ・ボルテック (一回戦)
    CZW初登場の竹田誠志は、入場時から気合十分。ボルテックはニーパッドに画鋲を貼りつけた(試合前にサミ・キャラハンが作った)サムタックニーパッドを着用。実に分かりやすーいデスマッチアイテムである。前回優勝者のボルテックは竹田に比べてすこし余裕が感じられる。リング上には有刺鉄線ボードが設置されているが、序盤はレスリングの攻防。

    一旦、両者とも場外に出ると、竹田がサインボードでボルテックの頭を叩く。リングに戻ると竹田が有刺鉄線ボードの餌食になってしまう。ボルテックは画鋲付きのニーパッドで竹田の顔面にキック。顔面に画鋲が刺さったままの竹田。ボルテックは竹田の胸に蛍光灯を押し付けそのままキック。蛍光灯が「ボン!」と破裂する。さらにボルテックは竹田の背中に画鋲ニーパッドでキック。竹田はツーでキックアウト。

    しかしここから竹田がネバリを見せる。竹田は有刺鉄線ボードにボルテックをスープレックスで投げつける。さらにボルテックをコーナーに追い込むと、有刺鉄線ボードの破片を立てかけてそのままタックル。しかし有刺鉄線が自分の方に向いたままタックルした為に、「イター!」と叫ぶ竹田。やりたいことが空回り。するとボルテックは画鋲ニーパッドでコーナーからニードロップ。竹田がツーでキックアウト。

    竹田が椅子に有刺鉄線ボードを寝かせセットすると、そこへボルテックをジャーマンスープレック。体勢が崩れてしまいもう一度有刺鉄線ボードにジャーマンスープレックスホールド。そのままカウントスリーが入って竹田が準決勝進出を決めた。

    (Semi Finals) につづく


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  • チカラプロ vs 大日本プロレス (2)

     

    (1)からのつづき

    2008年10月19日 CHIKARAペンシルバニア州フィラデルフィア(旧ECWアリーナ)大会 “The Global Gauntlet – Night 2”

    チカラプロと大日本プロレスとの対抗戦最終日は、フィラデルフィアにある旧ECWアリーナで開催された。満員の会場には普段どこで着るんだろうというグロ系のTシャツを着たコアなデスマッチファンや、小さな子供用のミル・マスカラスのマスクを被ってキャーキャーと応援する子供達の姿も見られる。この統一感の無さがたまらなく、いい。

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    この日は、7対7のグローバル・ガントレット・マッチと銘打たれメインイベントに行われた。と、そのまえに、いまマンハッタンドロップで注目しているプレイヤー・ウノとプレイヤー・ドスのタッグチーム(Super Smash Bros.)が、タッグチームチャンピオンベルトをかけてオシリアン・ポータルと対戦した試合がこれまた素晴らしかった。笑いあり華麗な飛び技あり、そして頓智の効いたフィニッシュには思わず吹き出した。チカラプロのやりたいことはこれなんだ、というような試合だった。しかもプレイヤー・ウノは昇龍拳の使い手だったことが判明!

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    インターミッションの後にメインのガントレット・マッチが開始される。レフェリーの李日韓が客席に手を振りながらリングインするとファンからは大きな声援が送られる。いよいよ試合開始のゴングが鳴り、沼澤邪鬼から入場。チカラプロからはグラン・アクマという冗談みたいなリングネームの選手が鼻息荒く入場。にしてもアクマて…。気むずかしいバス・ルッテンみたいな風貌のアクマは蹴り技を得意とした選手らしい。が、あっけなく沼澤のデスバレー・ドライバーにアクマ敗れる。

    つづく2番手はマスクマンのファイヤー・アント。見たまんまのアリ覆面。しかしこれがまた機敏な動きをするアリで、リングインと同時に沼澤を一気に攻め込んでいく。すると沼澤は自分の肘パットを投げ捨て、レフェリーがそれに気を取られている隙に反則のローブロー。場内からは大ブーイング。また沼澤ペースに持ち込んだところで再びズルしていただき戦法をしようと肘パットを投げ捨てるが、日韓レフェリーはひっかからずローブローの反則を取られ沼澤失格。お約束だが笑った。

    大日本の2番手は機敏な動きを見せる大橋篤。ローブローのダメージが残っているのかファイヤー・アントの動きがおかしい。大橋に押されるファイヤー・アント。アリだからって舐めるなよ!とばかりに触角を震わせながら反撃するも、最後は大橋のサンセットフリップ・パワーボムに惜しくも敗れる。チカラプロ3番手は同じくアリ軍団の一員ソルジャー・アント。兵隊アリね。分かり易すぎてまた笑った。敬礼をしながらヘッドバットや、敬礼をした手で相手の攻撃を避けるといった敬礼ムーブが炸裂。兵隊アリのアリパワーで大橋敗れる。

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    大日本の3番手は若作りリーダーの井上勝正。地味ながらもグラウンドの攻めで優位に立つ井上は、疲れの見えるソルジャー・アントを逆水平チョップや関節技のコンビネーションで一気に攻め込む。最後はタイガー・スープレックスで兵隊アリ敗れる。チカラプロ4番手はアリ軍団の働きアリことワーカー・アント。どこまでアリが好きなんだよと。見た目だけでもドリフ的な条件反射で笑ってしまう。アリ軍団最高。そのワーカー・アントはラ・マヒストラルで井上をピン。

    大日本の4番手は普段デスメタルしか聴かないという石川晋也。なんでも練習の時もデスメタルばかり聴いているという筋金入りのメタラー。そのデスメタル石川が、基本に忠実な動きでワーカー・アントを攻め、ローリング・エルボーであっさりと勝つ。しかしチカラプロ5番手は極悪野郎エディ・キングストン。キングストンの強烈な裏拳が石川のアゴにヒット。ここで石川退場。ここまでかなり目まぐるしい展開。

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    ここでなんと伊東竜二が入場してくる。昨日と同様、伊東が大日魂Tシャツを脱ぐとオォーというどよめきが起きる。キングストンのラフ殺法にキックで対抗する伊東。防戦一方になったキングストンをドラゴンスプラッシュで仕留める。チカラプロ6番手はクワックことマイク・クワッケンブッシュ。派手さはないものの、小刻みなエルボーと素早いロープワークで伊東を翻弄していく。負けじと伊東もキャッチレスリングで対抗するも、クワックのテクニックの方が一枚も二枚も上手。最後は必殺技の固め技チカラスペシャルで伊東がタップアウト。大日本6番手の岡林裕二が猛ダッシュでリングへ。

    アメリカ人レスラーに引けを取らない体格の岡林は、持ち前のパワーレスリングでクワックに猛然とアタック。いくら試合巧者のクワックとはいえ、岡林のパワーには苦戦。しかし、チカラプロ代表としての意地を見せたクワックが必殺のアリゲーター・クラッチ(フェイスロックの状態でキャメルクラッチ)を決め2連勝。もうあとがない大日本。大将の関本大介が入場。

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    勢いにのるクワックだったが、日本人離れした関本の強烈なラリアットを食らってグロッキー状態に。関本のパワーは異常。一瞬にしてその場の雰囲気を変えてしまう威力がある。関本の逆水平チョップで何度もクワックがのけぞり、堪らなくマットに膝をつく。クワックへの容赦ない攻撃にホームのチカラプロファンから悲鳴のような声援が飛ぶ。しかし最後はスローモーションになったかのようなぶっこ抜きジャーマンスープレックスでクワックからスリーカウント奪取。

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    チカラプロ最後の砦はROHでも活躍中のクラウディオ・キャスタニョーリ。ロープを使ってのぶつかり合いから、キャスタニョーリのヨーロピナン・アッパーカッターと関本の逆水平チョップの攻防へと展開。両者一歩も引かない緊迫した状況でファンも一段とヒートアップ。関本が飛び技を見せるが、負けじとキャスタニョーリも持ち前のパワーで対抗する。チカラとチカラの勝負。関本の表情がキラーの顔に変わっている。何発もラリアットと叩き込む関本。そのラリアットをすべて受けきるキャスタニョーリ。観ていて気持ちいい。最後はキャスタニョーリの必殺技リコラ・ボムで関本からピン。かなりの僅差だった。一時間近い熱戦はチカラプロに軍配が上がった。

     

    何を今更というかもしれないが、プロレスに国境は無いと改めて実感した。言葉が通じなくても感動しあえるモノがある。良いコンテンツというものは、それを受け止めてくれる場所で然るべき評価を受けるべきだし、日本だけでなくもっと色々な嗜好のプロレスファンにも観てもらうべきだと思った。今回のチカラプロと大日本プロレスの合同興行は必ず次のステップへと繋がるに違いないと、最後の集合写真を撮りながら思った。

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • チカラプロ vs 大日本プロレス (1)

     

    ルチャ主体のチカラプロが、デスマッチ主体の大日本プロレスと対抗戦をすると聞いたとき、それは何かの間違いでは、と思った。しかも大日本からは伊東竜二、関本大介、沼澤邪鬼、井上勝正、大橋篤、石川晋也、岡林裕二の7選手がエントリーされている。えらく大所帯だ。いままでにミラノ・コレクションAT、西村修、男色ディーノ、矢郷良明といった良くいえば「多種多様な」、悪く言えば「統一感のない」、そんな人選をしてきているチカラプロだけに、これはきっとボスであるマイク・クワッケンブッシュなりの思惑があるのだろう。何とも想像がつきにくいのだが、この2団体のコラボはいろんな意味で楽しみでもある。

     

    2008年10月18日 CHIKARAペンシルバニア州イーストン大会 “The Global Gauntlet – Night 1”

    いきなり第一試合から活きのいいタッグチーム”オシリアン・ポータル”が登場。対する大日本からは大橋篤と石川晋也が先発。そして去年デビューしたばかりの森島孝浩がレフェリーを務めた。冷静に試合を進めていく石川に対して、気迫を表に出していく大橋は「よっしゃー!いくぞー!」と日本語でアピール。あとすこしのところでオシリアン・ポータルの古代エジプト攻撃に敗れてしまう。しかしその後の岡林裕二とウルティモ・ブレックファーストの試合、そして沼澤邪鬼とウルトラマンティス・ブラックの試合は共に大日本の勝利。そのまま波に乗れるかと思われたが、ハローウィキッドのヤクザキックで井上勝正が惜しくも負けてしまう。これで勝敗は2勝2敗。

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    そして、関本大介と2メートルの大男ブロディ・リーとの試合がまた盛り上がった。パワーで押しまくる関本に巨体のブロディも防戦一方。場外での逆水平チョップ連打。一発一発が重そう。こうして見ると関本のカラダはすごいことになっている。キン肉マン消しゴムかというくらいムキムキの筋肉だ。こうなるとアメリカ人と日本人の体格差とかいう心配なんて消えてしまう。逆に相手のアメリカ人を壊してしまうのではないかなと心配になるほどだ。最後は完璧なぶっこ抜きジャーマンスープレックスで関本の勝ち。これにはファンも口あんぐり状態。

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    最後は大将の伊東竜二とマイク・クワッケンブッシュ(通称クワック)の試合。リング上の伊東の表情からは緊張がうかがえる。大日魂と書かれたTシャツを脱ぐと、最前列のファンからどよめきが起きる。伊東のカラダにはデスマッチの勲章ともいえる無数の傷が残っているからだ。無言の圧力。しかし序盤からクワックのペースで試合がすすむ。ロープを使った飛び技や複雑なジャベを使いつつ伊東のスタミナを減らしていく戦法だ。なかなかの試合巧者。クワックに対する見方がすこし変わった。勝ち越しを狙う大日本のエース伊東は、キック主体の攻めで徐々にクワックを追い詰めていく。ふんばるクワック。体格的には互角だが、気迫で上回った伊東がドラゴンスプラッシュでクワックから勝利をもぎ取った。全試合終了後には大日本勢がリング上を占拠して全員で勝ち名乗りをする。翌日へのアピールだ。

    恐らくチカラプロの固定ファンにしてみれば「大日本プロレスって何者?」といった認識だったかもしれないが、選手の動きが良ければ盛り上がるし、失敗すればブーイングをするというアメリカ人のプロレスに対する楽しみ方はメジャーでもインディーでも基本的には変わりはないので、心配していたよりもファンから声が上がったと言うことは、まずまずの結果だったと思う。というか想像以上に反応があったのには正直驚いた。

    (2)へ続く

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】