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Interview

ブライアン・ダニエルソン インタビュー(Part 3)/Bryan Danielson Interview (Part 3)

 

Part 1 , Part 2 からの続き)

――現在、特にインディーなどでは危険な技であればあるほど歓声が上がったりする傾向にあると思うのですが、それについてはどう思いますか?

(ダニエルソン) 一言で言えば、タフだね。アメリカのファン、特にROHのファンなんかは、より危険な技を要求してくる。そうすると、僕達もそれに答えるべくさらに過激な方へと向かっていく。中にはそれに体が耐えられなくなるレスラーもいる、それを続けていくのは大変だよ。ラッキーなことに、そういったスタイルは僕のスタイルではないから、僕はそこまでのことはしなくても済んでいるんだ。僕はもっとサブミッション中心のスタイルだからね。でも多くの人にとって、これはかなり大問題だと思うよ。例えば大技一つ出すにしても、一度出せばそれだけ関節に負担がかかる。人間の体はそこまで頑丈にはできてないんだ。それにアメリカのファンは気が短い。テレビやネットが発達しているおかげで、あれをやってくれ、これをやってくれと常に要求してくる。情報過多の弊害と言えばそれまでなんだけど、これについてはどう対処したら良いのか、僕にもわからないというのが本音だよ。

――怪我の話がでたのでお聞きします。いままで試合中に肩や目などの怪我をされていますが、プロレスを始めてから一番辛かった怪我を教えてください。

(ダニエルソン) 精神的に一番辛いのは脳震とうだね。実際に、昨年のクリス・ベノワの死亡原因は度重なる脳震とうに関係しているんじゃないかと言われているんだ。特に年齢が上がるにつれ、脳震とうの後遺症が出てくる傾向にある。この仕事をしていれば、誰もが脳震とうを経験する。一番怖いのは、いま現在は何も感じていなくても、例えば45歳になった時に突然出てきたりすることなんだ。でも僕は自分の体のことはよくわかっている。関節や腱が悲鳴を上げたらすぐにわかるし、そうなったら健康的な生活はもう送れないなとわかるんだ。そろそろ引退かと考えることはできるけど、脳震とうの場合は歳を取って全く前兆もなく突然後遺症がやってくる。その点から言って、脳震とうがもっとも精神的に怖い怪我だね。肉体的に一番痛かったのは、2006年にやった肩の脱臼。あの時は肩の腱が2本切れたんだ。その後4ヶ月まともにレスリングができなかった。かなりいかれた怪我だったよ。毎週そんな状態で試合をしなければならないし、本当に痛かった。

――結局、肩の手術はしていないんですよね?

(ダニエルソン) うん、してない。実はね、僕は針とか手術がすごく怖いんだ。だから手術をせずに治そうと思って、毎週カイロプラクターやセラピストに通って、エクササイズをして、筋肉をつけて徐々に治していったんだ。まだ少し肩に痛みはあるけど、別に問題になるほどの痛みじゃないよ。左肩に比べると動きに多少制限はあるけど、実際に他の人達よりも関節は柔らかいと思うよ。色々とヨガをやったり、ストレッチしたりしてるからだと思うけど。

――ではプロレスをするうえで苦しかったり困ったりしたら何に頼り、何を考えますか?

(ダニエルソン) 何だろう?例えば何か困難に直面しても「止めない」という選択肢を選ぶ人もいると思うんだ。例えばさ、マクドナルドで働いていて、指を火傷したとするでしょ?その時に「火傷した!薬くれ!絆創膏くれ!」って騒いですぐに家に帰っちゃう人もいるかもしれないし、火傷してもそのまま働いている人もいると思う。レスラーのほとんどって後者タイプだと思うんだ。特に痛みについては他の誰よりも耐久性がある。それに愚痴を言ってばかりいては、この仕事にはつけないよ。そう、このあいだマーク・ブリスコが手首を骨折したでしょ?彼はそれについて一度も不平不満を言ったことがないんだ。例えば「怪我した時どうだった?」って聞けば、「すげー痛かったよ!」とは言うけど、骨折したことに対して自分から愚痴ったりすることは一度もない。「あれは人生で一番痛い怪我だったよ」なんて冗談まじりに言うことはあっても、何で俺がこんな目に…とかの愚痴は一切ない。僕が思うに、この業界にいる人達は、不満を言わないタイプで、リング上で怪我をしたりしてもまあ何とかなるだろうという気持ちを持っている人が多いと思う。多くのレスラーは元々こういった思考を持っているし、逆にレスラーはそういう思考を持つべきだと思うんだ。僕も過去2~3年の間に色々怪我をしたけど、こういった気持ちで乗り切ってきたよ。

――なるほど。強い精神力が必要というわけですね。では次の質問ですが、現在気になる日本人レスラーはいますか?

(ダニエルソン) 永田。それにROHにも参戦している丸藤も素晴らしいと思うよ。あと前回のノアのシリーズで小橋と一緒にツアーを回ったけど、彼も素晴らしいレスラーだと思う。一度対戦したんだけど、リング上での存在感がもの凄いんだ。あと、蹴りが素晴らしいのでKENTAも良いレスラーだと思う。同じ理由で中嶋(勝彦)もいいと思うよ。僕は2004年に新日に出たんだけど、その時に彼と対戦をして蹴りをもらった瞬間に「オー・マイ・ガッ!!」って(笑)あれは今までもらった中で一番効いた蹴りだったなぁ。いま挙げた人達は、試合を観ていてとても楽しいと思う。あと女子レスラーだけど、吉田万里子もとても良い選手だと思うよ。彼女の動きはとてもスムーズだし、サブミッションもとても上手い。観ていてとても良い選手だと思うよ。

――いま名前を挙げた人と対戦したいですか?

(ダニエルソン) もちろん!実際にKENTAとは何度か対戦しているし、小橋とも一度対戦した。永田とはぜひもう一度対戦したいね!あとさっきは名前挙げなかったけど、田村潔司とも対戦したい。彼は今自分の団体を持ってるんだよね?田村との対戦はすごく気に入ってるんだよ。吉田万里子とも対戦したいけど、彼女は女子だからねぇ(笑)でも、彼女とは同じ興業に出たんだ。フランスで先月コミケがあって、そこでプロレスの試合もあったんだけど、彼女は自分の生徒を連れて来ていて、彼女の試合を観たら動きがすごくスムーズでしなやかだからびっくりしたよ。僕が持っていない柔軟性を彼女は持っている。それにスピードもあるしね。アメリカには彼女みたいな女子レスラーはいないよ。

――飯伏幸太はどう思いますか?

(ダニエルソン) 彼はすごく才能あると思う!はっきり言って、彼は凄い。彼がROHに来た時には、僕はちょうどノアに出ていて会えなかったんだ…。ところで彼とデイヴィー・リチャーズの試合をランス・ストームが大絶賛しているの知ってる?彼が生涯観た中で最高の試合の一つって褒めているんだよ。飯伏は本当に素晴らしいよね。もし僕が彼なら、もっとキック中心のスタイルになると思うんだ。あれだけのキックができるんだからね。でも彼はキックの他にもハイフライもやるでしょ?だけど僕は彼の体が心配だよ。いつか怪我するんじゃないかって、彼はまだ若いし、日本のプロレス界の将来を背負って立つレスラーであることに間違いはない。それにファンからも絶大な支持を得ている。しかも彼はそれに答えようとしているでしょ?それでハイリスクな技を多用しているから、いつか怪我するんじゃないかって心配だよ。彼は本当に素晴らしい。できるけど「やらない」っていう選択肢もあるけど、彼はあえてそれを選ばずにどんどんチャレンジしている。そこがまた素晴らしい理由の一つだね。

――飯伏選手は今年のJr.タッグリーグにも出ますよ。

(ダニエルソン) 本当?誰と組むの?

――中嶋選手です(笑)

(ダニエルソン) Oh my god!! それは大変だなぁ…(苦笑)対戦したくないなぁ…。

――ガハハッ。では次の質問です。あなたがプロレスを続けている原動力とは何ですか?

(ダニエルソン) また難しい質問だなぁ。うーん…一言で言えば、僕自身がプロレスをエンジョイしているからだね。僕には一般的な仕事は合わない。僕の父は製紙工場で働いていて、一日12時間働いて、週に48時間か60時間働いている。僕の友達は大学を出てそれなりの職に就いているけど、一般的な仕事は…僕にはエンジョイできないんだ。例えば僕は他に興味あることもあるけど、プロレスのようにエンジョイできないと思う。それにピースボートにも興味あるけど、2年間どこかの国に行って戻ってきたとしても、その時はもう職にあぶれてるし。他にはガーデニングも好きだけど、農業やってもあまり儲からない。僕が興味のあることって、あまりお金にならないようなことばかりなんだ(笑)だから今、僕がプロレスを続けているのは、僕自身がエンジョイしているからなんだよ。まだ若いし、体もついていける。だから今の内にできるだけ稼いで、引退の時が来たらまた学校に戻って、それからやりたいことをするつもりだ。

――プロレスLOVEってことですね?

(ダニエルソン) イェス!!

――ではROH日本公演についてお尋ねします。今回ROHの選手として来日するわけですが、今まで新日本やウワイステーションやノアなどへの参戦と何か気持ち的に変わる部分などはありますか?

(ダニエルソン) ROHはこれらとは全く違うスタイルなんだ。もっとスピードと動きが重視されている。例えばノアだと、ベテランレスラーがいて、若手もいて、たまに若手がベテランレスラーと試合をしてっていう感じなんだけど、ROHは最初から最後までもっとアクションが詰まっていて非常に中身が濃い。アメリカでは全ての試合が高レベルである必要がある。日本ではそうではない。それが大きな違いだと思う。

――なるほど。確かに日本の興業というのは、第一試合から始まり、メインイベントまでそれぞれの試合の役割というのがありますが、ROHの場合は、第一試合から全てメインイベント級の試合ですよね。

(ダニエルソン) その通り!

――では具体的にROHの見所を日本のファンに教えてください。

(ダニエルソン) まずROHのレスラーはとにかく全力を尽くす。日本のプロレス団体の興業の場合、ツアーがあるでしょ?例えば21日間のツアーがあって、そのうち15日試合をしたりするわけで体力もそこそこセーブしておかないといけない。でもROHの場合は、2日連続で試合があって、それで終わり。次に5日休んで、また2日試合。こういった理由も日本人レスラーが長く現役を続けていける理由の一つだと思う。3週間ツアーがあるけど、中には6人タッグもあり、ツアーが終わればまた長期で休みがある。この方が体にとって楽なんだ。でも、2日全力で戦って、ハードヒットで、ペースが早く、エキサイティングなレスリングをする。これがROHのスタイルなんだ。

――では、日本のROHファンへメッセージをお願いします。

(ダニエルソン) ぜひROHを観に来てください。プロレス好きな方なら、楽しんで貰えると思います。そしてROHの雰囲気、レスリングスタイル共に気に入って貰えるはずです。

――では最後に。あなたにとってプロレスとは何ですか?

(ダニエルソン) うーん…一言で言えば「自由」かな。僕が好きなことを感じたままに、そして芸術的に表現できる自由な場。また体型を維持するのに役立ってもいるよ。だってもしレスラーになっていなかったらジムにちゃんと通うかわからないじゃない?(笑)あとはより良い自分でいるための動機。いま現在の僕にとってはライフワーク。例えば他のことをするにしても、何でそれをしているのかと聞かれたら「プロレスのため」って答えるよ。柔術の練習は?「プロレスのため」キックボクシングは?「プロレスのため」何でその本を読んでるの?「読書が好きだからだけど、でも何かインタビューで使えるフレーズとかあるかもしれないじゃない?」って。だから僕の全てがプロレスに向かっているんだよ。

――激しい試合の後、わざわざ時間を割いていただいてありがとうございました。これからも応援しています!

(ダニエルソン) こちらこそ、どうもありがとう。

おわり

 

ごりごりのアスリートである以前に、その柔軟な頭でプロレスという戦いの場を楽しんでいるといった印象のブライアン・ダニエルソン。私が想像していたよりも、彼の目指すものはまだまだ高いように感じた。プロレスとは「自由」なり。孤高のプロレスラーという言葉がこんだけ似合う人もいないな、と思った。果たして、9月のROH日本公演ではどんな活躍をしてくれるのか、いまから楽しみです。

 

【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ブライアン・ダニエルソン インタビュー(Part 2)/Bryan Danielson Interview (Part 2)

 

Part 1からの続き)

――では、次に少し前のことについてお尋ねしたいと思います。プロになる前にバックヤードレスリングをやっていたというのは本当ですか?

(ダニエルソン) まあ、本当だよ(笑)でも、今見かけるようなクレイジーなバックヤードレスリングではなくて、言葉通り「バックヤードでレスリングをしている」というもので、もっとプロレスごっこみたいなものだけど(笑)これはね、なんでやったかって言うと、僕の友達がウェブデザインのクラスを取っていて、何かウェブサイトを作りたい、と。で、プロレスをちょっと取り入れようということになって、半分冗談で作ったんだ。写真とかアップして。それを見た人達が、「ブライアン・ダニエルソンはバックヤードレスリングをしている!」って言い出したんだけど、実際は「バックヤードでプロレスごっこをしている」ってことなんだけどね。

――その時の経験が今に生かされていることはありますか?

(ダニエルソン) うーん、無いかなぁ…。当時はマットレスの上でお互いにプロレスの技を出し合っていただけで、それ以上のものではないからなぁ。

――では、その時の面白いエピソードなどありますか?

(ダニエルソン) 実はその時の映像はたくさんあるんだよ。だから、今後僕のベスト版DVDを作ることがあれば、特典映像として入れるのもアリかなと(笑)テレビ番組の『Grind 』って知ってる?‘90年代のものなんだけど、水着を着た人達が音楽に合わせて踊り狂ったりしている馬鹿げた番組で、それをパロってくだらないことをやったりしてたんだ。2人がレスリングしている回りで大勢の人が踊ったりとか(笑)だから、今それをみると「あー、くだらないなー(笑)」って思うよ。いや、良い意味でね(笑)

――つまり、その時のレスリングは今の物とは全く別物なわけですね。なるほど。では次にお伺いしたいのは、ショーン・マイケルズ主宰のスクールやロス道場でストロングスタイルを学び、またウィリアム・リーガルにヨーロピアンレスリングの基礎も学んでいるということもあって、あなたのレスリングスタイルは色んなものがミックスされた独特なスタイルだと思うのですが、あなたの考える理想のプロレススタイルとは何でしょうか?

(ダニエルソン) 難しい質問だね…。理想のプロレスっていうのは、その時の状況や対戦相手によっても変わると思うんだけど、基本的には僕は猪木のスタイルがすごく好きなんだ。例えば猪木対藤波の60分フルタイム(恐らく1988年8月8日のIWGP戦)とか、もう天才的だと思う。今、僕がやろうとしているのはああいった感じのスタイルなんだ。それと古いイギリスのプロレスもよく見ている。昔の新日スタイルに似てるんだけど、もっとマット上の攻防が中心で、猪木の試合ほど白熱はしていない。でも技術的には非常に素晴らしい。だからこの二つのスタイルが僕にとっての理想だし、お気に入りと言えるね。どちらかと言えば、マット中心のレスリングスタイルが好きなんだ。例えば初期UWFの藤原とか、初代タイガーマスクとか。初代タイガーに関して言えば、初期UWFに参戦していた頃が一番好きなんだ。蹴りは凄く冴えてるし、フジワラアームバーなんかのサブミッション技術も素晴らしい。この頃のスーパータイガーには良い要素が多く詰まっていると思うよ。

――ということは、タイガーマスクよりもスーパータイガーが好きということですよね?

(ダニエルソン) そう!スーパータイガーは本当に素晴らしい。凄いとしか言いようがない。僕が今、一ファンとしてプロレスをみるなら、この当時の試合を見るね。間違いなく。

――では、現在あなたの目指しているプロレスはその頃のもの、ということになりますか?

(ダニエルソン) いや、今のアメリカのマット界では、こういったスタイルは無理なんだよ。まずファンが望んでいない。例えばこういうスタイルで試合をしたとするでしょ?そうしたら試合開始5分で客から「Boring!(つまらない)」ってチャントが始まるよ。でも僕自身はああいったスタイルを現在のスタイルに組み入れることは可能だと思っている。だから僕の基本スタイルにこういった要素を入れようとしているところなんだよ。特にアメリカでは、色んな要素を入れる必要がある。そうでないと、誰も興味を示してくれないからね。だから個人的には、そういった要素を加えているのが理想のスタイルなんじゃないかと思っているんだ。

――なるほど。なかなか難しいですね。ところで最近のあなたのレスリングスタイルはキラー猪木を彷彿とさせていますよ。

(ダニエルソン) 本当に?どうもありがとう。

――当時の新日本を観て育っているので、やはり私の考えるプロレスの根底にあるのはああいったスタイルなんです。今の新日本とは随分違うと思いますが。

(ダニエルソン) でも、僕はナガタはとても良い選手だと思うよ。彼は素晴らしいよ。

――あの白目はどう思います?(笑)

(ダニエルソン) ああ、こういうやつ?(笑)(と言って真似をする)。あれは、彼なりに何か自分らしいことをやっているんだと思うけど(笑)でも、彼はアマレス出身で、基礎はもちろん素晴らしいし、キックも素晴らしい。彼のテクニックは全てにおいて素晴らしいと思う。僕が新日にいて彼らと試合をした時、僕はまだ今ほどの経験も技術もなかったけど、当時から永田は素晴らしいとずっと思っていたんだ。いま、僕が一個人としてプロレスを観るなら、さっき言った試合の他には間違いなく彼の試合も観るね。彼と棚橋とのIWGP戦とか本当に素晴らしいと思う。またプロレスラーとして見た場合も、僕が理想としているレスラーに近いと思うんだ。ヘビー級としても彼は素晴らしい試合ができるし、Jr.ヘビーとしても素晴らしい。彼はキラーだと思う。永田の試合は本当に好きだね。

――あなたも十分キラーですよ(笑)

(ダニエルソン) 僕なんかまだまだ。頑張ってはいるけどね(笑)

――なぜ新日ロス道場に行ったのですか?

(ダニエルソン) 当時、カリフォルニアの若いレスラーをトレーニングするために、ロス道場がレスラーを募集してたんだ。「ここに来て練習するといいよ」って感じで。知っていると思うけど、アメリカにはレスラーがゴロゴロいる。で、みんななんとかしてリングに上がろうと必死なんだ。みんな日本に行きたがっているから、自分の映像や写真を日本に送りつけて売り込みをしている。日本以外にも、イギリス、メキシコ、WWEなんかにもね。で、僕がロス道場に行った時には真壁なんかもいて、ある意味トライアウトみたいな感じでまずは練習に参加したんだ。レスリングスキルなんかを見られたんだけど、「みんなレスリングスキルはかなり良い。でもどれくらい真剣に考えているのかなども、精神面ももっと見てみたい」って言われたんだ。実際に僕は荷物をまとめてロス道場に入門した最初のレスラーだったんだよ。最初は床で寝たりしてさ。それでも僕が望んでいたことだったんだ。とにかく日本に行きたかったし、アメリカでレスラーとして生活ができるとは思っていなかったし。アメリカだととにかく体が大きければ良いという風潮があるけど、日本だとJr.ヘビーでも十分に戦っていける。だからこれこそが僕のスタイルだと思ったんだ。

――実は私は以前にロス道場のドキュメンタリーみたいなものを見たことがあるんです。ロス道場の練習を密着取材していたものなんですけど、とにかくあなたが黙々と走っている姿がとても印象に残っていて、この選手は大物になる!と宣言していたんですよ。

(ダニエルソン) 本当に?どうもありがとう。

つづく

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ブライアン・ダニエルソン インタビュー(Part 1)/Bryan Danielson Interview (Part 1)

 

8月2日、ROHニューヨーク大会、ハマースタイン・ボールルーム。アメリカン・ドラゴンことブライアン・ダニエルソンに会えるという喜びと、あまりにも好きすぎて何を喋っていいのやらというパニック寸前の不安とで、まるで「選ばれし者の恍惚と不安二つ我にあり」のような心境で、ブライアン・ダニエルソンがバックステージから出てくるのをジーッと待っていた。すでにほとんどの選手達が会場を後にしてるなかリングの撤去作業がつづく。すると、試合で痛めた首をさすりながら、「待たせてごめん」と言ってブライアン・ダニエルソンがこっちに歩いてきた。うわー本物だ。ま、当然ながら本物なんだけれども、その苦笑いをした普段の表情と、リング上のキラーな顔とが違いすぎて一瞬だけ戸惑った。これがあのアメリカン・ドラゴンなのかと。レスラーとしての彼と、そうでないときの彼の差っていうのも、これまたそこはかとなく魅力的だった。今回はプロレスラーとしてだけではなく、普段のブライアン・ダニエルソンてどんな人なのか、ということをちょっと探ってみようと思います。

 

――初めまして。あなたの大ファンなので、私生活からプロレスまで、出来る限り多くの質問をさせて頂こうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

(ダニエルソン) こちらこそ、よろしく。

――まず最初の質問ですが、髪型やヒゲについてです。今は髪を伸ばしているみたいですが、坊主になったりヒゲを伸ばしたりと髪型には何かこだわりがあるのでしょうか?

(ダニエルソン) 特に意味はないんだ。その時の気分に合ったことをしているだけというか(笑)伸ばしたくなったから伸ばしてるだけなんだよね、実は。ええと、まず一番最初にヒゲを伸ばした理由なんだけど、カミソリを無くしたからなんだ(笑)まず2~3週間ヒゲを伸ばし続けて、そろそろ剃らないと、と思って剃ったら剃刀負けしちゃって、あー、もういいや、このまま伸ばしちゃえ!って(笑)

――では次に一日のスケジュールを教えてもらえますか?やはりトレーニングなどは朝にするのでしょうか?

(ダニエルソン) ウエイトはたいてい朝にやるんだ。えっと、ではまず毎日の僕のスケジュールね。まず起きる。で、次にカーディオ(有酸素運動)。まあ、走るか縄跳びが中心かな。その次に朝食。週に1~2回ジムに通う。その後ランチ。昼寝。読書。犬の散歩。その後に柔術かキックボクシングの練習。帰宅して、就寝。基本的には毎日このスケジュールだよ。

――柔術!それにキックボクシングの練習までしてるんですか。で、プロレスの練習はしないのですか?

(ダニエルソン) 僕はシアトルから2時間ほど南西に走った町に住んでいるんだけど、プロレス用のリングなんて無い所なんだ。だから試合の前に早く来て、リングで色々と練習をすることもあるけど、基本的にはカーディオを中心にやって、キックボクシングか柔術の練習をすることが、僕にとってのプロレスの練習と言えるかな。

――それはびっくりです。ところで犬の散歩という話もでましたが、犬もお好きなんですよね?myspaceにも写真が載っていますが、何匹飼っているのですか?

(ダニエルソン) 僕自身が飼っているのは一匹。でも、僕のお母さんが一匹飼っていて、その子は僕が高校生の頃からいるんだ。だから僕が飼っている犬となると一匹と答えるけど、僕の犬ということなら、この2匹ということになるかな。僕が試合で家を空ける時には、僕の犬はお母さんの家に預けるんだ。あと、空いている時間にはペットシェルターで過ごすことも多いよ。犬の里親捜しをしたりとか。とにかく犬が好きなんだ。いま、僕が情熱をかけていることといえば、これだね。

――それでは、あなたの尊敬する人は?

(ダニエルソン) 尊敬する人はたくさんいるよ。一人だけとなると、選ぶのは難しいけど…。僕のお母さんは全く教育も受けていなかったけど、今では心理学の修士の学位を持っているほどの努力家なんだ。プロレスで言えば、ショーン・マイケルズとウィリアム・リーガルが僕の師匠で彼らから本当に多くのことを教わった。多くの人を尊敬しているけど、一番と言われたら両親とショーン・マイケルズ、そしてウィリアム・リーガルの4人になるだろうね。

――あなたは化学を専攻していたそうですが、いつ頃まで勉強されていましたか?

(ダニエルソン) 大学に通っていたんだけど、ちょうどその頃ROHのレスリングスクールのコーチ要請があったんだ。で、その要請を受けたから、大学をオンラインコースに変更したんだ。でもオンラインだと授業内容が結構限られているんだよね。まあそれには2年制と4年制のコースがあるんだけど、僕はその2年のコースをほとんど終了して、あと残すのみは体育の授業なんだ。でもこの仕事をしてるから、今更体育の授業を取ってもね(笑)

――では、その化学の勉強はプロレスに役立っていますか?

(ダニエルソン) 全然!(笑)でも、化学って凄く面白いんだよ。どうしてそうなるのかって理解するのはすごく面白いよ。それにプロレスをやっていると、どうしてもプロレス以外のことには目を向けなくなりがちじゃない?そうなると、物事に対する視点がすごく狭くなって良くないと思うんだ。だからプロレス以外のことに興味を持つことは、とても良いことだと思うよ。

――それと同じような理由で、読書も好きなのですか?

(ダニエルソン) うん、そうだね。

――好きな作家は誰ですか?

(ダニエルソン) ジョン・アービングって知ってる?

――私の大好きな作家ですよ!

(ダニエルソン) 僕はジョン・アービングが凄く好きなんだ。あとは村上春樹も好き。それ以外では、レイモンド・カーヴァーのショートストーリーとかも。

――えーと、ひとつ変な質問をさせてもらっても良いでしょうか?試合を観ていると、あなたの筋肉はすごく柔軟性があり、かつ試合中にあまり汗をかかないことに気付きました。実はあのアントニオ猪木も筋肉が柔らかくて汗をかきにくい体質なのですが、この共通点についてどう思いますか?

(ダニエルソン) 多分、僕はイノキと同じようなトレーニングをしているんだと思うよ。マシーンでガンガン筋肉つけて、ジョン・シーナみたいな体を作っているわけではないし。もっと柔軟性をつけるトレーニングをしているんだ。もっとスムーズに、もっとフレキシブルにという目的を持ってトレーニングしているんだよ。

つづく

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