• マスカリータ・ドラーダ vs ピエローシート

     

    8月15日 チカラプロ@ペンシルバニア州イーストン

    ときに日本からヌルヌルは世界共通を唱える中澤マイケルやゴールデンスター飯伏幸太を招集したかと思えば、キャッチ・アズ・キャッチ・キャンを得意とする魔術師ジョニー・セイントをイギリスから招集するなど、チカラプロの多岐にわたった(個人的にはツボすぎる)ブッキングにはいつも驚かされる。で、今回はミゼット界のリビングレジェンドことマスカリータ・ドラーダ(マスカリータ・サグラーダ)というまさかのチョイス。毎年恒例のチカラプロ主催ヤングライオンズカップの合間に行われた特別試合の模様をリポートします。

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    小学生の感想みたいで恐縮だけれどもびっくりするほどに小さかった。想像以上だった。しかしリビングレジェンドのオーラが出まくりで、入場と同時に客(主に筆者)の心を鷲づかみ。対するピエローシートもメキシコマット界では有名なルチャドール。プエルトリコ国旗を掲げながらスペイン語混じりの英語で抜群のヒールっぷりをアピールする。

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    序盤は手の取り合いやジャベを使いつつクラシカルなルチャスタイル。無駄な動きがないうえに流れるような攻防がお客さんの意識をぐいぐいとリング上へ引きつけていく。マスカリータの常人離れしたスピードもさることながらピエローシートの柔軟な受けの技術もすごかった。この二人でしかできない特別なルチャスタイルといった印象。そして技が決まると見得を切るようにスパッと手を挙げるマスカリータが戦隊モノのワンシーンのようで格好良すぎた。

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    終盤に差し掛かると一気にスピードアップしていく二人。マスカリータがコーナーポストから場外へプランチャ・スイシーダを決める。飛ぶと言うよりもフワッと浮いて着地したみたいな大きめの白いムササビのようなだった。完全にマスカリータの押せ押せムード。しかし高速の回転式ヘッドシザースをかわしてマスカリータをグラウンドへともちこみ、最後はコブラストレッチを決めたピエローシートの勝利。パターン化された動きの中にも殺気を感じさせてくれる試合だった。

     

    本場ミニエストレージャの試合が目の前で観ることができたというアタシのおかしなテンションとは裏腹に、会場にいたお客さんの薄い反応が気になった。ハッキリ言ってチカラプロが呼んでくるチカラ以外のレスラーは玄人好みすぎる。どうだこのレスラー知ってるか?みたいな、ある意味プロレスヲタク度を試されているかのような挑戦状にも似たレスラーチョイス。個人的には悪くないと思った。このままこの路線を突き進んで欲しいし、世界にはまだ見ぬ強豪が沢山いるはずなので、チカラプロにはどんどん招集していただきたい。そういえば日本にも映画のキャラクターに感化されて肉まん屋でバイトするレスラーもいるんだ。チカラプロさんどうかひとつ。

     

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • デリリアスの先生は?

     

    ROH Video Wire 8/10/09
    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=H_B9fnbdMkM]

    IGF澤田敦士に柔道トレーニングを受けるデリリアス。前回のTVテーピング(ROH)では柔道ムーブを披露したらしい。特訓の成果はいかに?

  • オシリアン・ポータル インタビュー/The Osirian Portal Interview

     

    個性的なレスラーが多くいることでも知られるチカラプロ。そのなかでも一際キャラが立っているオシリアン・ポータル。彼らに話しを聞いてみた。

     

    ――まずはプロレス歴を教えてください。
    オフィーディアン: プロレスを始めてからもうすぐで2年になる。

    アマシス: 1年半。

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    ――ご出身は?
    (キッパリと)エジプト。古代エジプト第26王朝さ。

    ――ええ!?エジプトってあのピラミッドとかスフィンクスで有名なエジプトですか?
    そうそう。街には奴隷がいっぱい居るんだ。で、俺達はそいつらを蹴ったりして遊んでるんだけど暇なときは主にテレビを観てるんだ。

    ――テ、テレビて…。では、誰に師事していましたか?
    マイク・クワッケンブッシュとクリス・ヒーローにプロレスを習った(まじめな目で)。

    ――あなたの一番好きなレスラーは誰ですか?
    んー。そうだなあ、ロブ・ヴァン・ダムかな。それと日本のプロレスもよく観るんだ。日本人だとKENTAやKUDO、それに関本大介も好きだね。

    ――ということはいつか日本に行ってみたい?
    おーイエス!でも、いまは行けないんだ。俺たちを創造してくれた暗黒世界(アンダーワールド)に住んでいるオサイリスという神様から、「まだお前らはその時期ではない」と言われているから。

    ――なるほど。創造主には逆らえないんですね。
    色々あってね。いまはアメリカで暴れまくれという命令なんだ。

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    ――ところで怪獣ビッグバトルはご存じですか?
    おーイエス!知ってるよ。だって俺たち出場したことあるから。2008年5月の怪獣ビッグバトル『ボストン大虐殺』だったかな、セクメットっていうドでかい怪獣と戦ったんだ。

    ――その怪獣ビッグバトルに日本の飯伏幸太が出場したがっているみたいなんですけど。
    ガハハハ。怪獣は最高だよ。きっと飯伏には合っていると思う。

    ――では最後に日本のファンへメッセージを。
    Can you dig it !!!!

     

    チカラプロだけにとどまらず他団体でも高評価を得ているその訳は、キレのあるレスリング技術もさることながら、エジプト出身でマスクマンという珍しいギミックとその持ち前の表現力が飛び抜けているからだと思った。チカラプロ世界タッグ王者チーム(Chikara Campeonatos de Parejas)でもある彼らオシリアン・ポータルが、野望である世界へ進出する日もそう遠くはない。

     

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • ドラゴンゲートUSA 旗揚げ戦(09年7月25日)

     

    7月25日 ドラゴンゲートUSA@The Arena(旧ECWアリーナ) ペンシルベニア州フィラデルフィア

    ドラゴンゲートUSAの旗揚げ戦(Open the Historic Gate)がフィラデルフィアで開催された。開場前には入り口に長蛇の列が。

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    ○YAMATO VS B×Bハルク×
    デイジー・ヘイズとケリー・デンプシー(ボビー・デンプシーの妹)がB×Bハルクのダンサーを務めた。YAMATOがギャラリアでハルクに勝利。

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    ○2コールド・スコーピオ VS ケン・ドーン×
    かつてECW世界TVチャンピオンに就いたこともある2コールド・スコーピオが旧ECWアリーナに帰ってきた。最後は2コールド・スコーピオのタンブルウィード(コークスクリューレッグドロップ)が決まり元WWEのケン・ドーン(ケニー・ダイクストラ)から勝利。

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    マイク・クワッケンブッシュ & ○ジグソー & ファイアー・アント & ソルジャー・アント VS グラン・アクマ & ×イカルス & アマシス & ハロウウィキッド
    チカラプロの8人タッグマッチ。コミックあり飛び技ありのこれぞチカラプロといった素晴らしい内容だった。試合後に乱入してきたYAMATOがクワッケンブッシュを攻撃。ファンからは大ブーイングが発生。今後の布石となるのか。

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    ○ドラゴン・キッド VS 吉野正人×
    ウルトラ・ウラカンラナが決まりドラゴン・キッドの勝利。

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    ○マット・ジャクソン & ニック・ジャクソン (ザ・ヤングバックス) VS CIMA &  横須賀享×
    CIMAのトラースキックが横須賀享に誤爆。最後はダブルムーンサルトでマット・ジャクソンが横須賀からピン。

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    ○土井成樹 VS SHINGO×
    土井成樹がマスキュラーボムでSHINGOから勝利。

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     どのようなファンが会場に足を運んでいるのかと気になっていたら、結局いつもインディー会場で見かける顔が多く集まっていた。何人かに話を聞いてみたところ、「だってゲーブの関わる新団体でしょ?」と言うことで、ゲーブがいるからこそ見に来たとの意見が多数。異常な盛り上がりを見せたチカラプロの8人タッグマッチでも、ほとんどのファンがチカラのストーリーラインを理解し、チカラプロのファンでなければわからない細かい点まで把握していたことからも、今回の観客の多くは“インディープロレスファン”だったようだ。今後どれだけ“ドラゴンゲートUSAのファン”を増やしていけるかがゲーブ・サポルスキーの手腕の見せ所だと思う。

  • IGF澤田敦士 vs 巨大イカ

     

    7月18日 Peelander-Z @Santos Party House, NY

    マンハッタンドロップでは既にお馴染みの、ピーランダーZ(ぴーらんだー・ずぃー)のライブがマンハッタンであるということで行ってみた。すると突然、IGFの澤田敦士が「うががー!」と叫びながらステージに登場してきて、巨大イカと乱闘になったのだ。アメリカで修行していることは知っていたが、まさかパンクバンドのパフォーマンスに参加するなんて。自由すぎる。

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    ライブ終盤、ピーランダーイエロー(ギターボーカル)の紹介でステージに登場した澤田は、両腕を突き上げ日本から来たレスラーということを猛烈アピール。すると突然後ろから巨大イカの奇襲をくらいお客さんがいるフロアーへと転落。吸盤の付いた長い腕でばしばし殴られる。しかし、闘魂に火がついたのか、ムクッと起き上がると鬼のようなキラーの形相で反撃開始。

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    巨大イカへの容赦ないストンピング攻撃。怯んだすきに巨大イカを肩に担ぎ上げ、そのまま固いコンクリのフロアーへ投げ落とす。これが地味に痛そう。そんな中、パンクバンドのライブを観に来たお客さん達は、いきなりの場外乱闘にも関わらず、「やっちまえー!」だの「ぶん投げろー!」と異常な盛り上がり。気が付くと戦う両者を中心に大きな円陣ができていた。雰囲気はリアルファイトクラブ状態。

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    グロッキー状態になった巨大イカをジャイアントスイング。これで巨大イカは完全にグロッキー状態に。目が回った澤田もその場に倒れ、両者ノックダウン。するとなんと、お客さんから「SAWADA! SAWADA!」の大・澤田コールが発生。このリアクションはニューヨークならではというか、正気の沙汰ではないテンションだった。

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    そして最後は、フロアーに立てられたボーリングのピンめがけて巨大イカをぶん投げるという、ピーランダーZのライブではお馴染みの人間ボーリングが炸裂。見事ストライクで場外乱闘は終了した。戦いが終わると、ピーランダーZのメンバーがふたたび集まり、いままで戦っていたフロアーで演奏が再開される。ファンの熱気が一気に大爆発。澤田もファンと一緒になってごっちゃごちゃでぐっちゃぐちゃの大騒ぎ。みんな満面の笑顔のまま、ピーランダーZのライブは幕を閉じた。

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    ライブ終了後、澤田の感想は、「ピーランダーZのメンバーのみなさんは、パワフルでお客さんを巻き込むのがうまいんです。オレも巻き込まれました。こういった貴重な経験ができたということだけでも、アメリカに来たかいがありましたよ。」

     

    お客さんを楽しませるという意味ではプロレスもライブショーも変わりはない。プロレスの源流であるアメリカで学んだこと、それはいかにお客さんの心を掴んで引き込んでいくか。自分に必要なものは「経験」と言い切る澤田敦士。この経験を日本のリングでどう活かしていけるのか、今後の澤田に注目したい。

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】