タグ: Necro Butcher

  • 『The Wrestler』

     

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    今日は趣向を変えて映画の話。とは言っても、ずばり”The Wrestler”というタイトルのプロレスラーを題材にした映画。監督はダレン・アノロフスキー(代表作・π)。出演はミッキー・ローク、マリサ・トメイ、イヴァン・レイチェル・ウッド。そして多くのインディレスラーの方々。どのレスラーが出ているかは映画を観てのお楽しみだけど、マンハッタン・ドロップの顧問、ネクロ・ブッチャーもそれなりに重要な役柄で出演しているので、この映画を取り上げないわけにはいかないでしょう!実はネクロは映画の予告にも登場しているので、隠す必要はないのです。

    この映画は、今年の初めにニュージャージー州近辺のプロレス会場で頻繁に撮影が行われていました。協力団体はJAPW、CZW、WXW(ワイルドサモアンズのアファが主催する団体)そしてROH。これらの団体のレスラーが映画に結構出ているし、実際の会場で収録されているだけあって観客の中にも知った顔をチラホラ映っていたりして、私にとっては通常の映画とは違った楽しみ方ができました。

    さて映画の内容はと言うと、ミッキー・ローク扮するかつては大人気のレスラー、ランディの20年後の話。当時はあんなに華々しかったのに、今ではローカルインディ団体で…という設定で話が進められるのですが、ドキュメンタリーっぽく作られています。プロレス映画なだけに、裏事情の部分も少々取り上げられてはいるのですが、おかしく感じた部分は特になく、大げさな脚色もなかったのでちょっと一安心。逆にちょっとリアル過ぎる部分もあったりして、よくそこまで調べたなと感心する箇所もチラホラ。というかね、配役が素晴らしいのですよ。当初、主役はニコラス・ケイジで進められていたらしいのですが、監督がどうしてもミッキー・ロークで撮りたかったらしく、ミッキー・ロークに決定。ミッキー・ロークと言えば、80年代はナイン・ハーフやイヤー・オブ・ザ・ドラゴンといった映画で大人気の、セクシー俳優の名を欲しいがままにしていた超人気俳優ですよ。それが今では見る影もない姿に変身していまい、かつてのファンを失望させているわけなのですが、ミッキー・ロークの実生活の落ちぶれ具合と映画の役柄が見事にシンクロしていて、もう泣ける…。かつてはミッキー・ロークの大ファンだった私だけなのかもしれないけれども、非常に泣ける。マット・デイモンがミッキー・ロークの大ファンで、俳優になって初めてロークに会った時に「俺のようにはなるな」と言われたという話を聞いた時にも泣けたけど、それ以上にこの映画のロークは役にハマりまくっていて、こう胸にガツン!と来るわけです。このランディのモデルはもしかしてジェイク・ロバーツ?と思わせる内容なだけに、泣けるのも理解できるでしょ?

    今年のベネツィア映画祭ではグランプリに当たる金獅子賞を受賞し、ゴールデングローブ賞にもノミネートされ、至る所で高評価の”The Wrestler”、日本では2009年夏に公開予定のようなので、公開されたらぜひ観て下さい。プロレス好きなら観て損はないはず。逆にプロレスに興味がなくても、真面目にプロレスを取り上げている作品になっているので、観てもらいたいとも思います。そしてかつてのミッキー・ロークファンの皆様。観てくださいね。なんだかんだ言っても、やっぱりミッキー・ロークが好きだと実感するハズなので。


    [youtube:http://jp.youtube.com/watch?v=61-GFxjTyV0]

    【文・Shiori

  • ネクロ・ブッチャーvs潮崎豪

     

    2008年10月25日 ROHエジソン大会

    エイジ・オブ・ザ・フォールから離脱して一匹狼となったネクロ・ブッチャー。今回の対戦相手は、ラリー・スウィーニー率いるスウィートン・サワーズ・インクに加入したFIP世界ヘビー級王者の潮崎豪。ベルトをかけたタイトルマッチだ。ある意味これは、猪木ゲノムとプロレスリングノアとの代理戦争だといっても過言ではない(完全なる妄想)。トレーニングはおろかウォーミングアップすらもしないナチュラルボーンレスラーのネクロに、鍛え上げられた豪腕を武器にアメリカマット武者修行中の潮崎が迎え撃つ。

    手をグルグルまわしながら入場してきたネクロは鼻息あらく早くも戦闘態勢。いつもどおりペース配分など頭にない。ゴングが鳴るまえに、いきなりネクロが潮崎の持っていたFIPベルトを奪い取り、寄り目になりながら殴りかかる。慌ただしくゴングが鳴らされる。なにを思ったか突然Tシャツを脱ぎ出すネクロ。「ウガーッ!」とか言いながら逆水平チョップ合戦を挑もうとする。いい度胸だとばかりに強烈な逆水平を放つ潮崎。やりかえすネクロ。会場からは大ネクロコール。

    基本的に技は全て受けきるネクロ。潮崎の強烈な逆水平チョップを受けに受けまくってノックダウン。 潮崎のフットスタンプが寝ているネクロの顔面を強打。起こされたネクロはコーナーに振られるが、走ってきた潮崎にビッグブーツで切り返す。続けざまに潮崎の顔面へグーパンチ。そしてボディースラムのあとエルボーを落とす。技らしい技がやっと出た。

    勢いにのるネクロは一気に場外戦へともちこむ。場外マットをはがして「ウガーッ!」と叫ぶと、パイプ椅子を潮崎の背中にあてがい、そのまま地面へ思いっきりボディースラム。グシャッという嫌な音が会場にひびく。しかしサラサラヘアーの潮崎はパイプ椅子でネクロの頭をガンガン殴り返す。もんどりうって倒れるネクロ。場外カウント14でリングに帰る。カウントツーでキックアウト。

    一気に劣勢になったネクロは潮崎のフェイスロックで手をバタバタさせる。その手にチカラがなくなっていくがカウントツーで復活。そのまま潮崎をバックドロップで投げ捨てる。しばらく両者ノックダウン。鍛え上げられた潮崎のカラダと好対照にネクロは見事に腹が出ている。しかも白い。肌が白くて髭面で頭頂部が寂しくて腹が出ている身体的なハンデを感じさせない戦いっぷりがまた泣ける。

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    そしてまた場外戦になり場内は大ネクロコール。二人とも客席へと雪崩れ込む。 ネクロがパイプ椅子で潮崎の頭をぶん殴る。グーパンチで応戦する潮崎は、しっかりとラフファイトにも対応できている。客からパイプ椅子を渡されるネクロ。それを潮崎めがけ思いっきり投げつける。バケツリレーのようにガンガン投げつける。客とネクロの連係プレーが炸裂。潮崎がパイプ椅子に埋もれる。会場からは「レッツゴー・ゴー(豪)!」コール。

    潮崎を立たせて顔面めがけてグーパンチの連打。すると潮崎のトラースキックがネクロの顔面をとらえる。ネクロふーらふら状態。するとジミー・ジェイコブス、デリリアス、ブロディ・リー(先日チカラプロで関本大介と対戦した亜仁丸レスリー似の長身レスラー)の3人が突如乱入。リング上でデリリアスにグーパンチを食らわすが、ブロディ・リーのビックフットがネクロの顔面にヒットしてノックダウン。そして収拾が付かないまま両者リングアウトで試合終了。

     

    試合の結果としてはアレでしたけれども試合内容は素晴らしく ファンの盛り上がりも半端なかった。ネクロとの場外乱闘にも対応できる潮崎のパワーと気迫とそれに度胸がなければ成立していなかった試合だったかもしれない。ただ一つ言えることは、ネクロの技の受けは世界一。技を受ければ受けるほど光るネクロのスタイルに、潮崎の強烈な攻めがカチッとうまくかみ合っていた。この二人の決着はノアのリングで、というのは無理だろうか。無理だろうな…。

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • ネクロ・ブッチャー(海外の)情報

     

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    10月25日、ROHエジソン大会においてFIP世界ヘビー級王座戦が行われます。現FIPチャンピオンの潮崎豪に対する挑戦者は、なんと!やさぐれプロゴルファー猿ことデスマッチジーザスの我らがネクロ・ブッチャー。プライベートでは潮崎豪Tシャツを好んで着ているネクロさんですが、試合となれば話しは別。グーパンチと足蹴りオンリーの狂乱ファイトでFIP王座奪取といきたいものです。出番です顧問!

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • 月刊 ネクロ・ブッチャー


    念願だった両国国技館でカシンとRVDを相手にひどいやられようにもかかわらず、一部のファンを魅了しまくった我がマンハッタンドロップ顧問(本人承諾済み)のネクロさん。ひさしぶりにお会いしたら、また一段とだらしないカラダになっていたので一安心。ネクロさんウォッチャーの方ならご存じの通り、一時期の激痩せした頃が嘘のよう。だらしないカラダだからこそネクロさんなわけで、グッドシェイプしたネクロさんなんてストレートヘアーの天龍源一郎よりもありえません。ここはひとつ本来のやさぐれた姿へと更に戻って欲しいものです。そんなネクロさんに近況などを聞いてみました。

    ――いやーお久しぶりです。日本での活躍ぶりはネットや雑誌で逐一チェックしていますよ。

    (ネクロ・ブッチャー 以下顧問) おおーひさしぶり。両国の試合は観てくれた?

    ――動画共有サイトで少しだけ観ました。また思いっきり流血していましたね。やはり、大相撲が好きなネクロさんにとって両国はいつも以上にエキサイトされたんじゃないですか?

    (顧問) 大相撲の殿堂って言われている両国国技館で試合ができたなんてとても誇りに思うよ。

    ――ところで、例の奥さんのトラブルは解決されたって聞きましたけど?

    (顧問) あーあれね。もうワイフとは一緒に住んでるし、ひとまずは解決したよ。

    ――それはよかった。これでまた思う存分イノキゲノムで暴れられますね。

    (顧問) ああ。

    ――唐突ですけど、いままでで最も印象に残る試合とかってあります?

    (顧問) んー。三年くらい前かなあ、ジプシー・ジョーとの試合。ジプシー・ジョーはオレにとってアイドルだから。

    ――ジ、ジプシー・ジョー!実は、はじめてネクロさんの試合を観たとき、真っ先にジプシー・ジョーを連想したんですよ。動きといい、なんとも味のある風貌といい、ジプシー・ジョー二世だなと。

    (顧問) ワーオ。それは光栄だよ。

    ――あと、練習は一切しないって本当ですか?

    (顧問) 一切しない(キッパリと即答で)。

    ――試合前のウォーミングアップとかも?

    (顧問) 一切しない。強いて言えばビールを飲むことが練習だな。

    ――がははっ。ビールトレーニングですね。では、いまネクロさんが最も注目しているデスマッチファイターは誰ですか?

    (顧問) んー。

    ――例えばいまだと、ブレイン・ダメージだとかドレイク・ヤンガー、それにダニー・ハボックとかいますよね。

    (顧問) あっ、一人いる。男じゃないんだけどすごいのがいるぞ。その名前は女子レスラーのミッキー・ナックルズ(現在はムースというリングネームでTNAに出場していたが足の怪我で戦線離脱中)。彼女こそデスマッチファイターだ。オレが保証する。

    ――デスマッチ・ジーザスのネクロさんが認めるデスマッチファイターが女子レスラーだなんて、意外です。名前は聞いたことありますが、まだ実際には観たことないです。男顔負けの血みどろファイトをするっていう。

    (顧問) そうそう。彼女はマジですごいよ。

    ――では最後に、いままで一番痛かった、もうやりたくないデスマッチアイテムは何ですか?

    (顧問) あーそれはね、誰がなんと言おうとサボテンだね。あれは最悪。サボテンマッチの後は何週間も体中にトゲが刺さったまま抜けないんだ。もう体中がチクチクチクチクしてたまんないぞ。

    ――げげっ。サボテン恐るべしですね。ということは、もしミッキー・ナックルズとサボテンマッチをやることになったら?

    (顧問) ノー! ものすごく最悪!でも、やれって言われれば、誰とどんなデスマッチスタイルでもやってやるけどな(拳を握りながら)。

    ――むかしからのネクロさんファンからしたら、いまの試合内容というのは本来のネクロさんではないと思うんです。あの頃の血みどろなデスマッチを見せてください。

    (顧問) それはオレもわかってる。わかってるよ…。


    お気に入りの潮崎豪Tシャツ姿がまた一段とかっこいい。そしてデスマッチファイターとしての誇りと輝きに満ちたネクロさんの後ろ姿にしびれました。また機会があれば月刊ネクロ・ブッチャーとして定期的にお話を聞くつもりです。需要がなくてもやります。

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

  • ネクロ・ブッチャーvsジェイ・ブリスコ


    2008年6月7日 ROHフィラデルフィア大会

    しかしまあ、アメリカのプロレスオタクというのはネクロ・ブッチャーに一体何を求めているのだろうか。いまROHにかぎらず凄い人気なのだけれども、外見だけなら間違いなくプロレス界のワースト3に入る我らがマンハッタンドロップ顧問のネクロさんが、どちらかというと精悍な面構えで雰囲気のあるブリスコ兄弟の兄ジェイとハードコアな試合をすると聞いてフィラデルフィアまで駆けつけた。

    このフィラデルフィアのナショナル・ガード・アーモニーというところは、比較的なんでもオーケーな自由度の高い会場で、ハードコアな場外戦もありだし、照明やぐらからダイブしてもいい。してまたオリジナルECWの本拠地がちかいエリアだけに、ダイハードなハードコアファンが多いので、ネクロ対ジェイの試合は盛り上がること必至のはず。ていうことを考えていると、「ウガァー!」という雄叫びとともに、ネクロが裸足で入場してくる。頭はきれいに刈り込んで、もちろんボロボロのジーパン着用。いつものネクロさんだ。

    リングインするやいなや、この試合はレフェリーなんていらねーと言わんばかりに、レフェリーのポール・ターナーを場外に投げるネクロ。片手をぐるぐると回しながらリングを徘徊する。つづいてジェイ・ブリスコが入場してくると、いきなり場外戦へと突中。ゴングが遅れて鳴らされる。リングの周りに7~8列ほどのイス席が設置してあり、当日券用の雛段席が一面だけ用意されている。そのリングサイドの客席を殴ったり蹴ったりしながらグッチャグチャにする二人。武器として自分の座っていたイスをジェイに差し出すファンやら、興奮してネクロに中指を立てるおばさんもいたりしてケイオスな状態。

    かなり固いと思われるイスでネクロの背中をがんがん殴るジェイ。「行くぞー!」みたいなことを叫んだジェイは、折りたたんだイスを地面に並べて、雛段の真ん中からネクロをパワーボム。ドスンという鈍い音。ファンからは「プリーズ・ドント・ダイ!」コール発生。ネ、ネクロが死んじゃう、と思った。しかし、技の受けなら世界一のネクロはフラフラになりながら立ち上がってくる。ゾンビかっ。というか見た目はかなりゾンビ。

    ひととおり場外戦をやり終えると、リング上へと戻る二人。その瞬間、エイジ・オブ・ザ・フォールの二人(タイラー・ブラックとジミー・ジェイコブス)が乱入してくる。するとそこへ怪我で欠場中の弟マーク・ブリスコが兄ジェイを助けにエントランスから走ってくる。タイラー・ブラックを場外へ投げてダウンさせ、捨て身のトペを決める弟マーク。勢いに負けたタイラー・ブラックとジミー・ジェイコブスはマークから逃げまどうばかり。そのままマークが二人をバックステージへと連行して、リング上はネクロとジェイ・ブリスコの二人だけが残る。

    ジェイが折りたたみイスを持ってネクロに襲いかかる。そのチカラで叩いたら記憶が飛びますっていうくらいのフルスイングでネクロの頭を椅子で強打。よろけるネクロ。しかし人間では出せないような獣系の周波数で「ウオォー!」と叫びながら、よたよたとジェイへ向かっていくが、再びジェイがバチコ~ンとフルスイング。もう駄目だろと思いきや、ここからがデスマッチジーザスの本領発揮、また「ウオォー!」と雄叫びを発して反撃開始。場外の鉄柵を強引に外してリングへと投げ入れるネクロ。目の色が完璧におかしいことになっている(放送コードぎりぎり)。

    で、そのフェンスをリング中央に立てかけ、アトミックドロップのような体勢でジェイを持ち上げてフェンスにまたがられるようにして落とすネクロ。非道すぎる。BADBOY非道よりも非道。さらにネクロは鉄板でもって右に左に悶絶をうちながら倒れるジェイをぶん殴る。フォールに入るがカウント2でキックアウトするジェイ。こんどは固いフェンスをコーナーに立てかけ、おもいっきりジェイを投げつける。すると超人的な底力でもって息を吹き返したジェイは、逆にネクロを鉄柵へと投げつける。カウント2でキックアウトするネクロ。ファンからの声援が一段と大きくなっていく。しかし最後は強引にジェイを持ち上げ、鉄柵の上にタイガードライバーを決め、ネクロがスリーカウントを奪取。ノンPPVマッチだからか、メインイベントにしてはあっけない幕切れだった。

    試合後、顧問に挨拶するためバックステージへ向かうと、足を引きずりながら顧問自ら私たちの元へやってくる。すると、試合でやってしまった傷口を手で開いて見せようとする顧問。なにやら白いものがこんにちはしていて、パックリすぎるくらいパックリと切れている。うあー見たくないみたいな仕草をすると、「ほれ、ほれ、見てみー」とまた開いて見せようとする。普段、私たちが朝起きたら顔を洗うみたいなのと同じように、試合したら全身傷だらけという状況がデフォなんだなと思うと、顧問のいる世界ってとんでもないところで、しかも、笑顔でピースサインというね。顧問の魅力はきっとこれなんだなと思った。

    【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】