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Ring of Honor

ROH 8周年記念大会


2月13日 ROH @ニューヨーク州マンハッタン

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マジソンスクエアガーデンの目と鼻の先にあるマンハッタンセンターでROHニューヨーク大会が開催された。小雨が降るなか入場口付近では会場前からファンが列を作っていた。会場となるグラウンドボールルームはかつてWWEのRAWでも使われているヴェニューで、立派なステージもあり多目的スペースとなっている。そのステージ上には当日券席が並べられていたが、試合開始10分前になっても三分の一ほどの客入り。フィラデルフィアでのテレビシューティング(HD Net)でも客入りが厳しいと聞いていたが、ドル箱のニューヨークでも苦戦しいるようだ。

試合の方は、第二試合にキングス・オブ・レスリング(クリス・ヒーロー&クロウディオ・キャスタニョーリ)対ブラバド・ブラザース(ランス&ハーレム・ブラバド)のタッグマッチ。デリリアスがコーチを努めるROHスクール出身というブラバド・ブラザース。まだ観ている方がハラハラするレベルの若手タッグ。一方のキングス・オブ・レスリングは来日時の購入したものと思われるお揃いの『ステーキハウスリベラ』スタジャンを着て入場。しかもセコンドのサラ・デル・レイまで同じでかなりお気に入りのようだ。勢いよく向かっていくブラバド・ブラザースだったが最後はキングス・オブ・レスリングの連携技にあっけなく沈んだ。実力差を見せつけるためのスカッシュマッチ。

第3試合に我らがネクロさん登場。がしかしいつもとどこか様子が違う。よく見るとあろうことか白い靴を履いていた。ネクロさん=裸足なイメージが…。これにはすこしがっかり。そしてネクロさんの後ろから間違って入ってきちゃった風のおじさんが一緒に入場。これまたよーく見たらなんとネクロさんが敬愛してやまないあのジプシー・ジョーさんだった。試合にもほんの少し介入したりと大活躍のジプシー・ジョーさん。それと反比例してジョーさんに対する客の反応があまりにも薄かったのが実に寂しい。試合の方はネクロさんが履いていた白い靴を片手に装着してエリック・スティーヴンスの頭をポコポコと殴りつける場面がピークの雑なハードコアマッチだった。最後はネクロさんがゴミ袋をジョーイ・ライアンの頭にかぶせて窒息させ、押し倒したところをトドメのチョーク攻撃でレフェリーストップ。片足だけ靴を履いたネクロさんの勝利。

第4試合は、デイヴィー・リチャーズ対エル・ジェネリコのリマッチ。試合中に野次を飛ばしていたファンにデイヴィーがキレて唾をはきかけ罵声を浴びせていた。体つきや気性の荒さ、そして殺伐とした雰囲気はかつてのダイナマイト・キッドを彷彿させる。良い意味でも悪い意味でも。試合はこの二人で盛り上がらないわけがなくメインにつぐ好勝負に。なによりジェネリコの受けの上手さが目についた。とにかく技を受けて受けて受けまくる。最後はキムラロックをがっちりと決めたデイヴィーの勝利。

ここでリングアナウンサーから5月8日のROHニューヨーク大会にモーターシティ・マシンガンズの参戦が発表され、観客からは大きな歓声があがった。

第5試合、ブリスコブラザーズ対ダークシティ・ファイトクラブのROHタッグタイトルマッチ。正直、やる前から結果が読めてしまうマッチメイク。無難な試合内容でブリスコブラザーズにはかつての勢いが見られない。最後はジェイドリラーを決めブリスコブラザーズの王座防衛。試合終了後にキングス・オブ・レスリングの二人が乱入してきて大乱闘に。ブリスコブラザーズを本気にさせるのはやはりキングス・オブ・レスリングしかいないのか。

第6試合には、ケニー・キング、ラッシュ・ブラウン、デリリアス、スティーブ・コリノの4人によるフォーコーナーサバイバルマッチ。コリノのタイツがいくぶん大きめなのが気になった。試合はすこしコミカルでオールドスクールな内容。デリリアスのコンディションがすこぶる良く見えた。技の仕掛けからコミカルな動きまで全てにおいてキレキレ。最後はラッシュ・ブラウンにフロッグスプラッシュを決めてデリリアスの勝利。

メインイベントは王者オースティン・エリーズ対タイラー・ブラックのROH世界タイトルマッチ。前回の60分ドローを踏まえて、今回はジム・コルネット、ケニー・キング、ロドリック・ストロングの三人がジャッジ(完全決着)をするためにリングサイドに座っている。ゴングと同時に観客からは『レッツゴータイラー!』や『オースティン サックス!』などのチャント発生。序盤はブラックが試合を優位にすすめていく。ニアフォールの応酬からブラックを場外へ投げおとすオースティン。オースティンの450スプラッシュを膝を立てて阻止するブラック。一進一退の攻防がつづく。終盤、リングサイドにいたケニー・キングが介入しようとするとロドリックがそれを阻止。するとブラックは介入を阻止してくれたロドリックにスーパーキックをぶちこむ。つづいてジム・コルネットまでもスーパーキックで場外へと吹き飛ばすと会場は大盛り上がり。最後はファイヤーバードスプラッシュでブラックの勝利。これによりタイラー・ブラックがROH新チャンピオンとなった。

この大会のなかで間違いなくベストバウトだったメイン戦。これはなぜ去年のファイナルバトルでやらなかったのかが疑問に残った。ここまで引っ張る意味がわからない。勢いやタイミングなどを考えれば、いっそジェリー・リンがチャンピオンになる前にタイラー・ブラックでも良かったのではないか。と、いろいろと考えさせられる今回のROHニューヨーク大会だったが、去年のファイナルバトルに比べて興行時間がかなり短くコンパクトになったのが好材料だった。つぎはロドリック・ストロングが王座に挑戦すると宣言したということで、また新しいROHのチャンピオン争いに期待したい。というか期待させて下さいお願いします。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】


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オースティン・エリーズ vs タイラー・ブラック


12月19日 ROHファイナルバトル @グラウンドボールルーム ニューヨーク州マンハッタン

一年を締めくくるファイナルバトルは今年もニューヨークで開催された。メインイベントは挑戦者タイラー・ブラックと王者オースティン・エリーズのROH世界王座戦が行われ、60分フルタイムドローという結果に終わった。これによりオースティン・エリーズが王座防衛を果たした。

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試合開始から30分が経過したあたりで何となくフルタイム行くんじゃないかという雰囲気は確かにあった。それはエリーズが度重なる場外エスケープやチープな反則攻撃といった時間稼ぎとしかとれない試合運びから察することができた。問題なのは観客の反応だった。それは比較的遅い時間(23時頃)からメインイベントが始まったことに加え、エリーズのノラリクラリ戦法で観客の意識が「早くこの試合を終わらせてくれ」というネガティブな方へと傾いていたことだ。

次第に応援チャントが少なくなり、客のしゃべり声が目立ち始め、試合に集中できない状況になっていた。メインイベントだというのに試合途中で帰りはじめる客の姿も…。ここで一つ断言しておきたいのは今までのROHでは考えられない異常事態だということ。いくら試合がダレたとしても今までこんなことはなかった。恐らくこの一年でファン層がかなり変わってきているという証拠だろう。

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試合開始から45分が経過したころ、突然試合を放棄してバックステージへ帰ろうとするエリーズをブラックが追いかけまたエリーズが逃げるという鬼ごっこ的な展開に。すると観客から失笑と共に「ディス・イズ・ブルシット!」という前代未聞のチャントが発生。ストレスと怒りを通り越して、なんともいえない笑いの境地へと。

もしかしたら59分あたりでブラックが奇跡的にサプライズ勝ちしまうのではないかと妄想してみたものの、結果はやはりフルタイムドローだった。やっぱり感というかどうしようもなく重苦しい雰囲気が会場を包んでいた。ガックリとうなだれたブラックには観客から拍手が送られていた。しかし本人は全く納得していない様子でリングをあとにした。

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ファイナルバトルのメインイベントということで期待値が高かっただけにこの試合内容の落胆ぶりはかなりのものだった。何故にこのタイミングで60分フルタイムドローなのか。ファイナルバトルがこれで本当に良いのだろうか。エリーズのこのキャラはこのまま続いてしまうのかなど、色んな意味で考えさせられる一戦となった。

ただ一つだけ言えることは、ROHにとって良くなる要素はまだ必ずあるはずだということ。ラリー・スウィーニーの復帰や、クリス・ヒーローとクラウディオ・キャスタニョーリのタッグ(キング・オブ・レスリング)の復活といった新しい展開にも注目していきたい。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ブレット・ハート


9月26日 ROH@グラウンドボールルーム ニューヨーク州マンハッタン

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ROHニューヨーク大会ではお馴染みの、「オールドスクールレスラーをゲストに呼んでみましたがー」のコーナー。今回のゲストは90年代を代表するWWFのスーパースター、「ヒットマン」ことブレット・ハート。これといって特に注目すべき発言があったわけでもなく、逆にこれもアリかなと思えるほど低いテンションでニューヨークでの思い出なんかを語ってくれたブレット・ハート。腹はでていたけれども、ヒットマンオーラというのかその存在感はさすがだった。うっすらとドン・ジョンソン似。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ケニー・オメガ vs クラウディオ・キャスタニョーリ


9月26日 ROH@グラウンドボールルーム ニューヨーク州マンハッタン

クラウディオの入場と同時に会場のファンから大ブーイング。いつものロックマン2ミックスではない曲がかかるとエントランスにケニーが現れる。とそこでいきなり波動拳ポーズ。クラウディオが脱いだ手袋でケニーの頬を叩くと、こんどはケニーがショートタイツのちょうど股間の辺りをまさぐり始める。手品師のように取り出したのは同じく手袋。それでクラウディオの頬をペシッと叩きかえすケニー。

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そんな拍子抜けな流れで試合がスタート。ストップ延髄斬り、ダイビングボディーアタック、跳び箱式フェイスクラッシャー、とストリートファイターのハメ技のように次々と技が決まる。クラウディオが攻めるとブーイング、ケニーが反撃すると大歓声、といったわかりやすい客の反応がつづく。

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フランケンシュタイナーも決めて更に勢いづくケニー。ガッツポーズを披露する。クルクル具合(髪の毛)と調子の良さは比例するのかこの日のクルクル度はかなりのもの。

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しかし勢いづいたのも束の間、すきを突かれて軽々と担ぎ上げられてしまうケニー。そのまま豪快なエアプレーンスピンを仕掛けるクラウディオ。しかも最後はホールドしていた手をはなし、ケニーを肩だけで支えたままクルクルクルーと回すという怪力っぷりを披露する。平衡感覚を狂わされマットに叩きつけられるケニー。クラウディオがカバーに入るがカウント2.89でキックアウト。

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フラフラになりながらも必殺の波動拳を発射するケニーは、すかさずクラウディオを肩に担ぎ上げてクロイツ・ラスを狙いにいく。がしかし、肩車させられた状態のクラウディオは、投げられまいとレフェリーの胸ぐらを掴んで必死に抵抗する。体勢が崩れクロイツ・ラス失敗。レフェリーが倒れているすきに、ケニーの股間へローブローをぶち込むクラウディオ。悶絶するケニーを押さえ込んでそのままスリーカウント。クラウディオ・キャスタニョーリの勝利。

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いつでもどこでも全力で戦うのがプロレスに対するポリシーだというケニー・オメガは、この日もトリッキーかつ機敏な動きでニューヨークのファンから大声援を浴びていた。この日のケニーは、ジャンプ力の高さ、技のキレ、波動拳の時のアー顔、どれを取っても素晴らしかった。そして改めて感じたのは、アスリート揃いのROHの中でもケニーの身体能力はずば抜けているということ。日本で見せているいつものファイトスタイルと全く変わらないのもケニーらしいと思った。ヒールスタイルのクラウディオは、試合内容にむらがあるものの、この日はオーソドックスなヒールらしさが光っていた。あともう一歩のところで負けてしまったが、ケニーにはメイン級のレスラーに食ってかかるような貪欲なところをもっとアピールして欲しい。いつの日かROHのメインでケニーのアー顔が見てみたいなと。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ジ・アメリカンウルヴス vs ケビン・スティーン&エル・ジェネリコ


9月26日 ROH@グラウンドボールルーム ニューヨーク州マンハッタン

Ladder War 2

“Ladder War”とは、2007年9月にシカゴで行われたROHでは初のラダーマッチ(ケビン・スティーン&エル・ジェネリコvsブリスコブラザーズ)で、今回が2回目。試合形式はいたってシンプル。天井から吊されたROHタッグチャンピオンベルトを先に取った方が勝ちというものだが、テーブルやパイプ椅子も使用可とあってかなりブルータルでハードコアな試合形式となっている。

ジ・アメリカンウルヴスのエディ・エドワーズが、前日のボストン戦で右肘を骨折というアクシデントに見舞われしまい出場が危ぶまれていたが、なんとコルセットで肘を固定したまま試合に出場するという男っぷり。この一戦にかける決意の程がうかがえる。

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序盤でいきなり場外乱闘。両者揉みくちゃになりつつも、リング上にラダーと2つのテーブルがセッティングされている。ジ・アメリカンウルヴスをテーブルに寝かせると、スティーンとジェネリコがラダーに上りテーブルめがけてダイブを試みるが失敗。そのままスティーンとエドワーズは場外へ。そのすきにジェネリコがベルトめがけてラダーを上ると、慌ててデイヴィーがカットに入る。

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ラダーの頂上で揉み合いになる2人だったが、顔面にパンチが入ってデイヴィーがフラフラ状態に。するとすかさずラダーの頂上を飛び越えて、ジェネリコが下のテーブルめがけてサンセットフリップ式のパワーボムを決行。食らったデイヴィーは白目をむいてノックアウト状態。テーブルは真っ二つに。会場のファンからは割れんばかりの「Holy Shit !!」チャント。

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チャンスとばかりにジェネリコがラダーを駆け上るが、場外にいたエドワーズがカットに入る。反対側の段から駆け上ったエドワーズは、ジェネリコを捕まえてもう一つのテーブルへ投げつける。腰を強打したジェネリコはぴくぴくとジャンボの痙攣状態。今度はスティーンが一番大きいラダーをリング中央にセッティングして上り始める。あともう少しというところでエドワーズがラダーごと倒して阻止。

倒れた勢いでスティーンがエプロンとリングサイドフェンスに架けられたテーブルに墜落。ここでまたファンから「Holy Shit !!」チャント発生。粉々になったテーブルの上でスティーンはぴくりとも動かない。倒れたラダーをリング中央にセットしなおしたエドワーズが、痛めた手をかばいながら一段ずつ駆け上る。しかしジェネリコがゾンビのように起き上がり、同じラダーの逆の段からエドワーズを追う。

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一度はベルトに手がかかったジェネリコだったが、下にいたデイヴィーがカットに入る。パイプ椅子で背中を強打されたジェネリコは、だらーんと逆さ吊り状態に。手負いのエドワーズに代わってデイヴィーがラダーに上り、天井から吊されたタッグベルトを奪取する。ジ・アメリカンウルブスの勝利。

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まるでテーブル葬の見本市みたいな試合だった。ここ最近では控えめだったハードコアな試合で、恐らくテレビテーピングでは観ることの出来ない内容ではあったものの、あまりレア感のないラダーマッチだったという印象。ただし肘を骨折してまでもラダーマッチに出場したエディ・エドワーズのプロ根性はすごいと思った。逆にエドワーズが万全の状態だったらもっと違った展開になっていたのかなと。今週中にプレートを入れる手術を受けるというエドワーズ。今後のジ・アメリカンウルヴスの動向が気になるところ。一体タッグベルトはどうなるのだろうか。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ブライアン・ダニエルソン vs ナイジェル・マッギネス


9月26日 ROH@グラウンドボールルーム ニューヨーク州マンハッタン

The Final Countdown

先ずはナイジェル・マッギネスがいつものタレサンをかけてゆっくりと入場。ファンからは「Thank You Nigel !!」チャントが鳴りやまない。著作権の問題でオリジナルの「ファイナルカウントダウン」ではないエントランス曲が流れると、えんじ色のガウンを羽織ったブライアン・ダニエルソンが続いて入場。どこか寂しげな表情でリングの周りを一周してからリングイン。両者の名前がコールされると無数の紙テープがリングに投げ込まれる。

両者がっちりと握手をしたあとROHでは最後となるゴングが鳴らされる。するとファンから「Let’s Go Dragon !!」と「Let’s Go Nigel !!」チャントが交互に何度も何度も合唱される。こんな地響きするほどのチャント合戦はROHでも珍しい。しかし、ファンの思いとは裏腹に序盤はゆっくりとしたペースで試合は進んでいく。ねちっこい腕の取り合いから関節技の攻防へ。技の一つ一つにこれまでの思いが凝縮されているかのようだ。

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関節を極められたナイジェルがロープに逃げてもカウント4までその手を離さないダニエルソン。するとファンからいつもの「I have Till Five !!」チャントが飛ぶ。これが最後だから思う存分チャントしてくれと言わんばかりに何度もカウント4まで手を離さないダニエルソン。二人だけではなくファンと一緒にプロレスをしているかのようだ。

ナイジェルが場外へのタワー・オブ・ロンドンを決めた辺りから一気にラフファイトモードへと突入。ナイジェルを客席へ投げ込むと、ニューヨーク恒例トップロープからの客席へのダイブをダニエルソンが決行。ようやく立ち上がったナイジェルはダニエルソンを鉄柱へと叩きつけ流血させる。気が付くとヒールチャンプだった頃のナイジェルの表情が戻ってきていた。さよなら試合にこんな死闘されてもみたいな雰囲気が一瞬だけ会場を包み込む。

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リングに戻ると、いままで二人がROHのリング上で繰り広げてきた名場面を再現するかのように、持っている技を全て出し尽くしていく両者。一進一退の攻防が続く。ナイジェルがロンドン・ダンジョン(キャメルクラッチの退勢で腕を決める技)を仕掛けると、ダニエルソンがそれをキャトルミューティレーションで返し、それを抜け出したナイジェルが掟破りのエルボーパッドでダニエルソンを攻め込む。まるで技で会話をしているような二人だけの世界が繰り広げられていく。

キラーとなったダニエルソンは鬼気迫る形相でナイジェルに頭突きをぶち込む。ふらふらになりながらも自らロープに振ってぶつかり合う両者。再度キャトルミューティレーションでナイジェルを弱らせて、すかさず三角締めに移行するダニエルソン。ギブアップしないとみるや三角締めのままナイジェルの頭部めがけてエルボーバッドを何度も何度も打ち込んでくと、見かねたレフェリーのトッド・シンクレアがここでレフェリーストップ。ROHファイナルマッチはブライアン・ダニエルソンの勝利。

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試合後、スタッフはじめ選手全員がリングサイドに集結。はじめにナイジェルがマイクを取り「ROHそしてブライアン・ダニエルソンに感謝したい、これからもファンのみんなにはROHを応援していって欲しい!」と別れの言葉の言う。次にダニエルソンがマイクを取ると、「ジョン・シナの耳にナックルパンチをぶち込んでくれ!」というファンからの野次に、「よーし!あのサノバ●ッチに食らわせてやるぞー!」と拳をつくりながら応えるダニエルソン。すると会場は大爆笑。

続いてダニエルソンは、「いま現在ROHで最高の選手をあげるとするなら、ジ・アメリカンウルヴス、ロドリック・ストロング、それにオースティン・エリーズだ」と言うと会場からは大きな拍手がわき起こり、「いままで日本をはじめ世界各地をプロレスで渡り歩いてきたけど、世界で最高のレフェリーはトッド・シンクレアだ」とリングサイドにいるシンクレア本人に向けて言うと、いつもは入場しただけで大ブーイングのシンクレアに対して、ファンから大きな拍手が送られる。涙をぬぐいながら何度も「サンキュー」と応えるシンクレア。

更に「社長のケアリー・シルキンがいなければ、いまのROHはなかっただろうと思う」と言うと、社長自ら手を振ってそれに応える。そして最後に、「ファンのみんなにはこれからもROHの応援して欲しい」と言うと場内にオリジナルバージョンのファイナルカウントダウンが流れ、ファンの「ファイナルカウントダーウン!」の大合唱と共に、ダニエルソンは天高く人差し指を突き上げた。

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ここまで殺伐とした試合になるとは正直想像していなかったが、最後の最後に両者のスタイルを出し切った試合内容だったので一ファンとして嬉しかった。らしいといえばらしい試合だった。もうROHでは観ることが出来ないと思うと実に寂しい。いままでROHを離脱していった数々のレスラー達も同様にさよなら興行をしてきたが、ここまでファン達の気持ちが一つになった興行は無かったように思う。それだけ両者はROHにとって特別だったと言えるだろう。適材適所という言葉があるが、二人が最も輝ける舞台はROHだと信じてきた自分にとって、WWE移籍は正直不安でしかない。もしかしたらアメドラさんがユージーンのようなギミックを与えられるかもしれない。ナイジェルがハリケーンのような全身タイツで試合をさせられるかもしれない。がしかし、たとえ彼らがどういう形になったとしても、広い気持ちでこれからも応援していきたい。それは彼らがインディーファンの夢だから。その夢に最後まで乗っかっていきたいと思う。


【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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ROH ニューヨーク大会(09年6月13日)

 

6月13日 ROH@ニューヨーク州マンハッタン

ザ・ヤングバックス VS ケニー・キング & レット・タイタス
現PWG世界タッグ王者組のヤングバックス(マット&ニック・ジャクソン兄弟)が、息のあった連携技でケニー・キング&レット・タイタス組に勝利。

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ネクロ・ブッチャー VS ジミー・レイヴ
ジミー・レイヴがリングインすると同時に、観客からトイレットペーパーが投げ入れられる。「だから投げんじゃねーよ!」と叫ぶマネージャーのプリンス・ナナにも、ブーイングと大量のトイレットペーパーが投げつけられる。現在、ジミー・レイヴと抗争中のネクロさんは、いつものように腕をぐるぐる回して「ウガー!」と叫びながらドシドシと走って入場。観客からは割れんばかりの「ネクロ!ネクロ!」コールで迎えられる。

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いきなり場外乱闘が始まり、強引に引っこ抜いた客の椅子でジミー・レイヴを襲おうとするネクロさん。しかし、レイヴにその椅子を取られてしまい、ネクロさんの右膝にクリーンヒット。執拗に右膝を攻めまくるレイヴだったが、一瞬のすきにスモールパッケージホールドで丸め込み、ネクロさんの逆転勝ち。試合終了後、身動きが取れなくなったネクロさんにジ・エンバシーがストンピングの雨あられ。そこへコルト・カバーナが助けに入ってくる。足を引きずりながらバックステージへと帰って行くネクロさん。観客からは大拍手。

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ここでリック・フレアーが登場。リングサイドでメインのタイトル戦に立ち会う予定だったが、このスピーチを最後に会場を後にした。ちなみに試合開始前には同会場の地下でサイン会が開かれていた。

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ロドリック・ストロング VS サンジェイ・ダット
ロドリック・ストロングがギブソン・ドライバーでサンジェイ・ダットに勝利。ネクロさんとは違い、両者共にグッドシェイプされたカラダで、終始スピーディーな好試合。

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タイラー・ブラック VS ジミー・ジェイコブス
最初に流血した方が負けのファーストブラッドマッチ。ジミー・ジェイコブスがありえないほど長いドライバーでタイラー・ブラックの額に凶器攻撃。これであっさりとタイラー・ブラックは流血してしまい、ジミー・ジェイコブスの勝利。試合後、タイラー・ブラックは王者挑戦権を行使するとマイクで宣言。これでメインのROHタイトルマッチはタイラー・ブラック、ジェリー・リン、オースティン・エリーズのスリーウェイで行われることが決定した。

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ディーロ・ブラウン VS ブライアン・ダニエルソン VS クラウディオ・キャスタニョーリ VS コルト・カバーナ
コルト・カバーナがシカゴクラブ(ビリー・ゴーツ・カース)を決めてディーロ・ブラウンから勝利。

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(C)ジ・アメリカン・ウルブス VS ケビン・スティーン & エル・ジェネリコ
因縁深い両タッグチームがROHタッグベルトをかけてサブミッションルール(最後はサブミッションで極めなければ勝てないルール)で激突。膝の怪我から復帰したばかりでいつもの動きに精彩を欠くエル・ジェネリコ。膝にはスティーブ・オースティンのようなプロテクターを装着している。その痛めている方の膝へ、リチャーズがチャンピオンベルトで容赦ない反則攻撃。最後はエドワーズがハーフ・ボストンクラブをジェネリコに決めタップアウト勝ち。スティーン&ジェネリコ組はあともう少しのところで惜しくもベルトを逃した。

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ジェイ・ブリスコ VS リトル・グイドー・マリタート
かつてUWFインターナショナルにも所属していたヌンジオことリトル・グイドー・マリタートにジェイ・ブリスコが必殺のジェイ・ドリラーを決め勝利。

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(C)ジェリー・リン VS オースティン・エリーズ VS タイラー・ブラック
オースティン・エリーズはリック・フレアーの入場曲でゆっくりと入場。立会人のリック・フレアーはリングサイドに来ることが出来なくなったとマイクで説明するオースティン。すると片手にレフェリーシャツを握ったままのナイジェル・マッギネスが登場。オレが立会人になってやると言ってレフェリーシャツに着替えリングサイドに陣取るマッギネス。試合は序盤、タイラー・ブラックへの脚攻めでオースティン有利の展開。

オースティンが鉄柱を使った変形足四の字固めをタイラーに決めるが、立会人の権限でナイジェルがカットに入る。と、ここでタイラーがリンをスモールパッケージに丸め込んでスリーカウント。チャンピオンだったリンがここで退場。突然の出来事に場内がざわめく中、ここからタイラーとオースティンの一騎打ちとなる。

この日、すでに一試合を消化しているタイラーは徐々に疲れが見えはじめ、オースティンのねちっこい攻撃に足が止まる場面も。最後は顔面への蹴りから垂直落下式ブレーンバスターをタイラーに決めて、オースティン・エリーズが史上初の二度目のROH世界ヘビー級王座を奪取。観客からは歓声と落胆の声とが入り乱れての大盛り上がり。

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正直びっくりした。かつて(2005年~06年あたり)の盛り上がりが蘇ったかのような素晴らしい内容だった。どの試合もテンポが良く、興行全体をコンパクトに集中して見ることができた。定期的に開催されているTVテーピング(HDNet)でも、これくらいの盛り上がりを期待したいところだが、オースティン・エリーズの王者交代によって今後どういう展開を見せていくのか期待していきたい。

 

【文・ジュードーチョップ aka Yama-chan】

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