カテゴリー: Review

観戦記

  • Lucha VaVOOM 11/9/2010


    11月9日 Lucha VaVOOM @ウェブスターホール ニューヨーク州マンハッタン

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    ちょうど半年ぶりのルチャ・バブーン。前回と同じウェブスターホールにお客さんの入りは7割ほど。いきなりオープニングマッチにダーティー・サンチェスが登場。ハゲ頭に髭のマスク、白のタンクトップ、そしてチン毛がボーボーとい出オチ感たっぷりのキャラクター。もちろんルードス。

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    対するテクニコスのクレイジー・チキンズが登場。場内に四つ打ち音が流れるとそれに合わせて観客が大騒ぎ。クレイジー・チキンズが本当にクレイジーな飛び技を連発。観客のいるフロアーにサンチェスを投げ落とすと、クレイジー・チキンズは躊躇なくトペ。最後はダーティー・サンチェスがうんこを漏らすというまさかの展開に。ドリフかっ。

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    プロレス→ダンサーの踊り→プロレスという流れは前回と同じ。池畑慎之介ばりの色気でフラフープを回しまくる男性ダンサー。

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    見事にシックスパックのエル・ボンベロ登場。キレキレの動きと股間を強調したタイツで女性ファンを魅了する。もう既に公表しているので中身をバラしてしまうと、EVOLVE 1で澤宗紀と対戦したTJPなのだ。

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    ひよこ仮面のリル・チキン登場。チュパカブラを相手にミゼット特有の早い動きを見せる。ルチャ・バブーンのエース的存在だ。

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    ショーの最後は風船にダンサーがすっぽり入ってしまうというネタ。僕の小規模な生活の妻みたいな体型のダンサーに思わず目が釘付け。


    前回と比べて全体的に質がかなり落ちたように感じた。プロレスを見慣れていないお客さんにはこれでいいのかもしれないが、やはりルチャと名前が付く以上もっとルチャスタイルを全面に出して欲しかった。前回が鍋焼きうどんなら今回は素うどんみたいなそんな物足りさを感じてしまうようなショーだった。しかし、バーレスクダンサーの踊りとルチャリブレという相性の良さは、やりようによればいくらでも化けられるのではないか。非常に勿体無い気がしてならなかった。とか言いつつ次も絶対に行きます。


  • EVOLVE 6


    11月20日 EVOLVE 6 @エースアリーナ ニュージャージー州ユニオンシティ

    薄暗い会場内は映画『ファイト・クラブ』のワンシーンのような怪しい雰囲気に包まれていた。空調は止まりトイレも詰まって使用できないというハードコアな環境の中、今年最後のEVOLVEが開催された。司会はレニー・レナード、解説にはROHを離脱したばかりのオースティン・エリーズが務めた。

    ドレイク・ヤンガーとサイラス・ヤングのオープニングマッチ。髪の毛を金髪に染めたドレイク・ヤンガーが捨て身技を連発。それに応えるようにサイラス・ヤングもきわどい攻めを見せる。ノンストップの攻防から最後はサイラス・ヤングがスプリングボード・ムーンサルトを決めてドレイク・ヤンガーから勝利。オープニングに相応しい素晴らしい試合。

    第二試合は、リッチ・スワン、ARフォックス、トニー・ニース、スコット・リードによるフォーウェイマッチ。リッチ・スワン以外の三人はEVOLVE初出場というフレッシュなメンバー。なかでも伸びのあるドロップキックのARフォックスと、次世代ハイフライヤーの筆頭リッチ・スワンは飛び抜けて輝いていた。ピッカピカだった。

    勢いの止まらないARフォックスは、場外へシューティングスタープレスを狙いにいくも失敗。かなり危険な角度からコンクリートの地面に叩きつけられる。その若さが仇となってしまった。場内が騒然となるなかむっくりと立ち上がるARフォックス。大事には至らず試合を続行する。最後は驚異の粘りでARフォックスがトニー・ニースから勝利。

    試合の合間に、ラリー・ダラスが両手に女性を抱えニヤニヤしながら現れる。ありえないほどの開襟でいんちき臭さ満点。

    第三試合は、これまで勝ち星のないボビー・フィッシュと、前回のEVOLVE5でリコシェ相手に素晴らしい試合内容を見せたカイル・オライリーとのシングルマッチ。ボビー・フィッシュの重い蹴りに対しスピードとキレのある打撃で対抗するカイル・オライリー。最後はボビー・フィッシュが勝利への執念を見せオライリーに辛勝。これでフィッシュはEVOLVE初勝利。負けはしたもののカイル・オライリーの急成長ぶりには目を見張るものがあった。

    第四試合、すっかり若手から中堅になりつつあるアップ・イン・スモークと、スーパー・スマッシュ・ブラザーズのタッグマッチ。クラウディがプレイヤー・ウノにコード・レッド(連携式カナディアンデストロイヤー)を決めてアップ・イン・スモーク組の勝利。

    第五試合、EVOLVE初出場のホミサイドは未だ勝ち星のないジョン・モクスレーと対戦。なんでもアリの”Relaxed Rules”とアナウンスされると場内は大盛り上がり。先に入場したホミサイドはリング上で仁王立ち。続いてモクスレーがリングインすると、しばらく睨み合ったあと何やら罵り合いがはじまる。試合前からユーチューブなどで口撃戦が繰り広げられていた両者。会場内がただならぬ雰囲気に。

    試合開始と同時にぶん殴りあいがはじまる。ホミサイドがブッチャーばりの地獄突きを打ち込むと、モクスレーはうつ伏せにしたホミサイドの首を両手でチョーク攻撃。お返しとばかりに口の中へ手を入れ頬をびろーんと引っ張るホミサイド。まるでストリートファイトである。そんな中でも冷静なモクスレーは、テーピングをしたホミサイドの左肩に照準を定めていく。

    思いっきりロープへ叩きつけたり踏んづけたりと散々ホミサイドの左肩を痛みつけたあと場外戦へ。ホミサイドがひな壇の間に落っこちたモクスレーにトペを敢行。会場備え付けの大きな扇風機を見つけたホミサイドは、電源コードでモクスレーの首を締め上げながら顔面に噛みつき攻撃。トペでスイッチが入ったのか久しぶりの極悪モードに。完全に目が飛んでいる。

    客席を練り歩く二人。モクスレーをテーブルに寝かせてシャッターに登りそこからホミサイドがダイヴ。テーブルがぐんにゃり。モクスレーがパイプ椅子でホミサイドの左肩をバコバコと殴りつける。動きが止まったホミサイドをフェンスに叩きつけると頑丈なはずの鉄製フェンスが大きな音を立てて倒れる。

    パイプ椅子で執拗にホミサイドの左肩を痛めつけるモクスレー。更に脇固めで締め上げていく。コップキラーで一発逆転を狙ったホミサイドだったがモクスレーがそれを上手くかわす。そして最後はモクスレーのチキンウィングフェイスロックがガッチリと決まりレフェリーストップ。しかしホミサイドはタップアウトしていないと主張。

    試合後も怒りがおさまらないホミサイドはレフェリーに暴行を加える。「試合は終ってねー!かかって来い!」と叫びながらモクスレーを挑発するホミサイド。しかし試合後はルールに則って一切手出しはしないと無抵抗を決める。その態度がまたホミサイドの怒りを買ってしまいドライバーと木槌でモクスレーの股間をぐりぐりと攻撃する。両手を後ろに回して無抵抗を主張するモクスレー。その顔面にカツカツとフォークで刺しまくるホミサイド。額に大きなたんこぶを作り流血したモクスレーはリング上で大の字。極悪モードのホミサイドは誰も手がつけられない。この暴行で次回から出場できない可能性が出てきてしまったホミサイドだが一体どうなるのだろうか。もの凄い迫力だけれども正直やりすぎです。

    第六試合、先日来日が決まったリコシェと、ROHにも参戦しているアダム・コールのシングルマッチ。リコシェがキレのある空中殺法を武器にアダム・コールから勝利。

    第七試合は、ジミー・ジェイコブスとジョニー・ガルガーノのシングルマッチ。ジェイコブスは自身のツイッターアカウントがプリントされたタイツを着用。ジェイコブスがリングインすると観客からは大声援で迎えられる。

    前回のEVOLVE5から不審な動きをみせるジョニー・ガルガーノ。観客からはブーイングを浴びる。低い天井を利用した鉄骨ぶら下がり戦法はジェイコブスに軍配が。最後はジミー・ジェイコブスがコントラ・コードにいくところを上手く丸め込んでガルガーノの逆転勝利。

    試合後、あのいんちき臭いラリー・ダラスがプレイボーイ・モデルのレビー・スカイと一緒にリングイン。ラリー・ダラスは「これからこのオレがジョニー・ガルガーノのスポンサーになる」とマイクで宣言すると観客から大ブーイング。これでラリー・ダラスがスポンサーとなってマネージメントをする選手は、チャック・テイラーとジョニー・ガルガーノの二人となった。

    メインイベントは、EVOLVE初出場のオースティン・エリーズと、そのエリーズに貧乏学生と馬鹿にされたチャック・テイラーとのシングルマッチ。ROHを離脱して間もないエリーズは、あのノラリクラリとしたボンクラなキャラクターのままなのかと思いきや、劇画のような本来の顔つきとキレのある動きが戻っている。

    静かな立ち上がりの両者。オースティンは理詰めの攻めで徐々にテイラーの動きを止めにかかる。オースティンの攻めに対して呼吸を整えながら必至で食らいついていくテイラー。どことなく表情が冴えない。得意の場外へのトペが決まるとオースティンの一方的な攻めがつづく。

    それでも意地を見せるテイラーはオースティンの膝へミサイルキック、スプリングボード・ムーンサルトと畳み掛ける。しかし勢いに勝るオースティンはここで勝負に出る。ラスト・チャンスリー(片腕を決めた鎌固め)でタップアウト寸前までいくが決まらず、テイラーを場外へと放り投げるとオースティンが場外プランチャ。

    テイラーの粘りもここまで。四つん這いになったテイラーの頭をサッカーボールキック。続けざまに急角度のブレーンバスター。最後はエリーズのラスト・チャンスリーがガッチリと決まりテイラーから勝利。試合後、マイクを取ったエリーズは、試合中にテイラーの右肩が外れていたことを告白。肩の脱臼というアクシデントにも関わらず最後まで試合を続けたテイラーに観客から拍手が送られる。セコンドに肩を担がれながら帰っていくテイラーは無言だった。思い通りの試合が出来なかったからか下を向きながら勝ち名乗りを受けるオースティン。にしても、あのカッコいいオースティンが帰ってきたのは嬉しいかぎりだ。


    いままでのEVOLVEとは、どこか空気が違って感じられた。やはりそれは度がすぎるほどのハードコアな試合を見せたホミサイドの存在感が大きいかもしれない。この一年、若手主体とした新しいプロレスの流れを模索してきたEVOLVE。そこにかつてROHでチャンピオンにもなったレスラーが2人も参戦したことで生まれる歪み。試合スタイルが一辺倒になりがちだったEVOLVEにとって、今回のホミサイドとオースティン・エリーズの参戦は好材料だったように思う。その他にARフォックスのレスリングセンスには驚かされた。勢いだけではない素晴らしい素質を持っている。数年後が楽しみだ。忘れてならないのはホミサイドの凶器攻撃を最後まで受けきったジョン・モクスレー。彼のレスラー然とした身のこなしと雰囲気がとても色っぽく感じた。モクスレーとチャック・テイラーにはEVOLVEを引っ張っていくだけのチカラがあるように思う。次回の開催はまだ未定だが、ラリー・ダラスのいんちき臭さも含め、これからもEVOLVEから目が離せない。


  • Lucha VaVOOM


    一風変わったルチャスタイルのプロレスが観られるという噂を聞きつけ、マンハッタンにあるウェブスターホールで『ルチャ・バブーン!』を観てきた(とはいえ半年も前のことでつい書き忘れていた)。

    ルチャ・バブーンは、2002年からLAを中心に活動しているプロレス・エンターテイメント団体。トラディショナルなルチャリブレと、コメディ要素、それにバーレスク(若しくはネオバーレスク)と呼ばれる大人向けエンターテイメントが合体した団体。2002年からLAを中心に活動を始め、いまでは全米をツアーするほどの人気である。

    ここで聞きなれない「バブーン」という言葉を調べてみると、

    va-voom
    【間投】
    アー、アヘアヘ、ハー、ウーッ◆性的興奮を表す
    【形】
    好き者の、グッとくる、セクシーな、性欲をそそる

    といったような具合である。「性的興奮」とはいえ局部を露出するといったいわゆるストリップなどではない。つまりバーレスクとも言い換えられるのだが、もともとバーレスクは、19世紀にイギリス(ビクトリア朝)でシェイクスピア劇などをパロディ劇として始めたもので、20世紀初めにアメリカに渡ったバーレスクは、キャバレーや大衆酒場などでお色気と笑いをミックスしたエンターテイメントへと発展する。そして現在は、より芸術性を高めた「ネオ・バーレスク」としてアメリカで復活している。

    ルチャリブレとエロティシズムが合体したらどうなるのか。想像しただけでもそそられる。それにコミックという笑いの要素もうまい具合に合わさっているのも見どころの一つ。ということで5月に開催されたLucha VaVOOMの模様を紹介してみたいと思う。


    5月9日 Lucha VaVOOM @ウェブスターホール ニューヨーク州マンハッタン

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    普段はライブハウスとして使われているウェブスターホール。ステージの上にリングが組まれ、中央から張り出した花道が設置されてある。フロアの二階に実況席があり、司会者とスタンダップコメディアンのトッド・バリーが登場。司会者が「ルチャー!」と言ったらお客さんは「バブーン!」と叫ぶようにと練習がはじまる。さすがに盛り上げ方が上手。で、いきなりダンサーが現れたかと思ったら局部を見せるか見せないか加減のナイスな踊りを披露(画像は割愛します)。ま、ニプレスで乳首は見えていない。踊りが終わると、どこかで見たような大門もびっくりのタレサンに派手なタイツのレスラーが入場。よく見るとPWGのジョーイ・ライアンだ。ひくひくと股間を強調しながらリングイン。お客さん大盛り上がり。

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    踊り→プロレス→踊り→プロレスと交互にテンポよく進む。少しでも間があくと司会の二人が「ルチャー!」と叫ぶ。お客さんは反射的に「バブーン!」とレスポンス。プロレスというよりもライブ感覚のノリ。トサカのついたクレイジー・チキンズの二人が登場するやいなや花道からフロアへ同時プランチャ。びっくりするほど動きが良い。勧善懲悪化された分かりやすいプロレスのためかプロレスファンでなくても十分楽しめる内容。腹筋割れまくりのエル・ボンベロ(消防士仮面)の正体は、澤宗紀とも対戦経験のあるあの人。

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    ヒヨコのマスクマンが登場すると会場内に四つ打ち音が流れ、客がそれに合われて手拍子しながらワッショイ状態になる。ちょっとしたハウスパーティーだ。このリル・チキンはミゼットレスラーなのだが飛び技が無茶しすぎ。きっと中の人はかなりのミゼットレスラーなのだと思う。で、また踊りがはじまる。身なりは女性なのだが胸はぺったんこの男性ダンサー。女性以上に女性らしい動きに見とれてしまう。そしてまたゴツいレスラーが登場してプロレスがはじまるという展開。

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    腹回りがえらいことになっているスペルパルカが登場。客から「ヘイ!スケルトン!」と野次られながもホネホネロックな踊りをして盛り上げる。メインはテクニコ対ルードのタッグマッチが組まれ、途中からレフェリーも加わり8時だョ!全員集合みたいなドタバタな展開になりながらも、最後はテクニコがしっかりと締めてプロレスは終わる。これで全てのプログラムが終わりかと思いきやダンサーが登場。これぞバーレスクといった圧巻の踊りを披露すると、ダンサー全員がステージに登場してフィナーレ。あっという間の2時間だった。


    いままでプロレスとロックの融合といった主旨のものは、どこか不完全というか両方のいい部分を消してしまっている感が否めなかったが、このルチャ・バブーンはそいういったものが殆ど無い。むしろ両方の魅力が相乗効果となって興行全体に良い影響を与えているように感じた。少なからずプロレスには下品なイメージがあるが、バーレスクという上質なアンダーグラウンドカルチャーと合体したことで、イメージががらっと変わって見えた。大人の楽しみとしてこのルチャ・バブーンはこれからもっと流行っていくと思う。

    [youtube:http://www.youtube.com/watch?v=FKZ3s_RRjAU]


  • 怪獣ビッグバトル “Save The Kaiju!”


    10月15日 Kaiju Big Battel @ワーソー ニューヨーク州ブルックリン

    グッズコーナーでは、「Save The Kaiju!」Tシャツや、イブシ怪獣大戦闘Tシャツなども販売。

    今までのDr.キューブの悪行によって怪獣ビッグバトルの経営状態は悲惨なことに…。資金を集めるために現れたヒーロー軍のサンバスター。それを阻止しようと海底怪獣サイクロプトパスと吸盤スチーム怪獣テンタクル・ボウルダーがリングイン。圧倒的なパワーでボウルダーが勝利。ひとまず資金集めを阻止することに成功!

    司会者のラウデン・ノクシャスが、今夜のショーは「怪獣を救え!」をテーマにチャリティー仕様になります!と、絶叫しながら説明する。目がマジ。

    フレンチトーストがいつものように手こずりながら入場。無事リングインしただけで観客から大きな拍手が。

    続いてダストバニーが入場。フレンチトースト対ダストバニー!ヒーロー対ヒーローのクリーンな試合が実現か、と思いきや亡霊怪獣シーボーズにも似たヤースミンコが突如乱入。

    巨大なビルを頭からすっぽり被せられるダストバニー。ヤースミンコのハチャメチャな攻撃にさすがのダストバニーも防戦一方。

    そこにバナナ怪獣パコ・プランテインが助けに入る。ロードウォリアーズばりの連携でヤースミンコを撃破。

    するとここでヒーロー軍の女戦士パワ・ランジュルを迎えてのオークションタイム開始。私物のキャンディをオークションにかけると、観客から「$50!」、「$60!」とドンドン値が上がっていく。

    ここで巨大キノコ怪獣シャルーマ・タンゴがオーディションを妨害しようと乱入。邪魔をされたパワ・ランジュルは、失神から覚めたスタン・ハンセンのように怒り狂う。

    さらに何故かダイノカングJr.が助けに入ってくる。図体がデカイうえに口を開けてピョンピョンと跳び回るだけで特に攻撃するわけでもない。そんなゆるキャラ具合がたまらない。

    武藤敬司のスペースローリングエルボーを彷彿とさせるバク転からのボディアタックがシャルーマ・タンゴのキノコ部分にヒット!弱点だったのかピクリとも動かなくなるシャルーマ・タンゴ。パワ・ランジュルをキレさしたら大したもんですよ。

    ここで本日のスペシャルゲスト、怪獣ヲタクコメンテーターとして数々の試合を実況解説してきたビーブが操り人形として現れる。ところがそこにDr.キューブの姿をした謎の怪獣が登場。誰かと思えば一つ目の悪魔猿ことヘルモンキー。

    ヘルモンキーの好きなようにはさせまいと、ヒーロー軍のアメリカン・ビートルが登場。星条旗の短パンが今にもずり落ちそうになりながらも、がりがりのカラダからは想像もつかないパワフルな攻撃でヘルモンキーを撃破。

    観客から寄付を募り、集まったお金を高性能マシーンに入れる。すると目標の半分まで達成!というシグナルが。お礼に怪獣ビッグバトルTシャツやポスターをプレゼント。

    みんな大好きカンフー・チキンヌードルが登場。資金集めのためにいくらでも敵と戦ってやると息巻く。観客からは無謀だとの声も。続けてテュコールも登場。するとDr.キューブがゴリラとアンコウのDNAから造りだしたグルーディンまでもが姿をあらわす。

    カンフー・チキンヌードルは一人で戦い抜く。

    次々と謎の怪獣が現れる。

    アイアン・ブラザーがチェーンを振り回しながら襲いかかる。得意のカンフーアクションでアイアン・ブラザーを攻めまくるカンフー・チキンヌードル。そこにヒーロー軍のサンバスターが現れる!

    が、しかーし!コーナーに登ったサンバスターは、何をトチ狂ってしまったのかいきなりカンフー・チキンヌードルめがけてフライング・ボディプレス!会場からは悲鳴が…。何故にサンバスターが仲間のはずのカンフー・チキンヌードルを襲ったのか?

    怪獣ビッグバトルで一番デカいセクメットが登場。息を吹き返したカンフー・チキンヌードルがドロップキックでセクメットをリング下に落とす。セクメットは文字通り出オチ。

    最後はグルーディンを押さえ込んだカンフー・チキンヌードルが辛勝。ものすごい数の怪獣に勝利したことにより、観客から資金も集められ、今夜のテーマだった「怪獣を救え!」は見事に達成。カンフー・チキンヌードルの決めポーズがカッコ良すぎる。

    「サンキュー!」と叫びながら四方にお辞儀をするラウデン・ノクシャス。この男なくして怪獣ビッグバトルは成り立たない。


    正直こんなにお客さんが入って盛り上がるとは思っていなかった。オールスタンディングの会場がほぼ埋まっていた。定期的にショーが開催されることが難しくなり、公式ホームページの更新もままならない状態でこれだけの客入り。やはりマニアというか怪獣ビッグバトルが好きなファンは確実にいる。運営資金が足りないことをプロレス的に、そして怪獣テイストを上手く織りまぜ昇華させた今回のショー。文句なしに大成功だと言っていいと思う。

    この先はあるのかと思わせぶりな部分は確かにあった。本当にDr.キューブは死んだのか?サンバスターの裏切りの意味は…。大きな流れを持たせることで今まで以上に話題性が生まれてくる。これはとても良い変化だと思った。新しい試みとしてリング上だけに留まらず、ミュージックビデオやライブ会場などでも怪獣の魅力を伝えていって欲しい。ただし、怪獣ビッグバトル独特のライブ感を味わうにはやはり生のショーに限るだろう。もしそれが日本で実現したらと想像しただけでニヤニヤしてしまう。

    そんな色々な可能性が秘められた怪獣ビッグバトル。これだけのニーズがあるわけだからもっと続けるべきだし続けないと駄目だと思った。次回はいつになるか分からないが、とことん追っかけていこうと心に決めたのであった。


  • 豊田真奈美&マイク・クワッケンブッシュ vs. サラ・デル・レイ&クロウディオ・キャスタニョーリ


    9月19日 CHIKARA “Through Savage Progress Cuts the Jungle Line ” @ザ・ワーソー ニューヨーク州ブルックリン

    場内にメインイベントのアナウンスが流れると、観客から一斉に「トヨタ!トヨタ!トヨタ!」の大チャントが発生。先ずクロウディオ・キャスタニョーリとサラ・デル・レイが入場。次にマイク・クワッケンブッシュ。そして最後に豊田真奈美が全女時代の曲『Mystic Eyes』で入場。観客は総立ち。

    異常な雰囲気のなかゴングが鳴らされる。先発はマイクとクロウディオ。マイクから豊田へタッチするとまた「トヨタ!トヨタ!」チャント。日本で一度だけ対戦経験があるというサラ・デル・レイ。体格的には五分と五分。

    顔面への鋭い蹴りが豊田にヒット。今度は豊田がインディアンデスロックからの鎌固めがガッチリときまる。

    豊田がサラをキャメルクラッチで動けなくすると、鼻の穴に指を突っ込んで羞恥プレイ。クロウディオが堪らずカットに入る。

    場外のクロウディオ&サラへ豊田がフライングボディプレス。

    コーナーから豊田のミサイルキック。サラの喉元にヒット。

    ヒール軍団BDKの2人は息のあったチームプレーが目立つ。技のキレと重さでは豊田に引けを取らないサラ。いつも以上に気迫がこもっている。

    サラのパワーボムを食らった豊田はノックダウン状態。するとクロウディオが十八番のジャイアントスイング。回すたびに観客が「1! 2! 3! 4! ……」と数えはじめる。

    ツーで返した豊田はお返しに十八番のローリングクレイドル!クロウディオの大きなカラダがぐるぐると回転する。カウントツーでサラがカットに入る。観客から「マナミ!マナミ!」チャント。

    サラが急角度のパイルドライバーをきめる。クロウディオが再度ジャイアントスイング。回される豊田へサラのミサイルキック。

    マイクがクロウディオにチカラスペシャルをきめる。

    グロッキー状態のサラにムーンサルトプレス。

    豊田がサラを担ぎ上げると、コーナーからマイクが掌底をヒットさせ、その勢いのままジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス。続けざまにジャパニーズ・オーシャン・クインビー・ボム。

    そのままフォールにはいかず、チカラプロの象徴とも言える必殺技チカラスペシャルをきめる豊田。サラが堪らずタップ。

    o 豊田真奈美 & マイク・クワッケンブッシュ (23:02 ~ チカラスペシャル) クロウディオ・キャスタニョーリ & サラ・デル・レイ x

    試合終了後、「トヨタ!トヨタ!」そして「チカラ!チカラ!」の大チャントが発生。場内は歓声で地響きがするほどの盛り上がり。会場のキャパオーバーで入場規制がかかるほどの盛況ぶりだったチカラプロのニューヨーク初進出は、大成功に終わった。


    今年のベストバウトに選出されてもおかしくないほどの素晴らしい試合だった。ニューヨーカーのクレイジーな声援とリアクション。そして23分があっという間に感じられたマッチオブジイヤー級の試合内容。こんなにパッピーエンドな大会は久しぶりだったように思う。ミックスドマッチにありがちなお笑い要素が殆ど無く、むしろほとんどの技がブルータルで男子顔負けの内容だったのが印象的だった。それとマイク・クワッケンブッシュの上手さが光っていた。そしてやはり今回は豊田真奈美に対するファンのリスペクトっぷりが想像を遥かに超えていた。まさにリビングレジェンドである。試合後のコメントで「試合がすごく楽しかった」と語っているように、豊田にとって今回のアメリカマット初進出ツアーは満足のいく内容だったに違いない。なにより豊田に対する会場全体を包みこむようなあの大声援が全てだったと思う。ともあれこのニューヨーク大会でチカラプロは新たなステップを踏み出した。次はどんな面白いことをやってくれるのか、いまから楽しみである。