カテゴリー: Review

観戦記

  • 豊田真奈美 vs. デイジー・ヘイズ


    9月18日 CHIKARA “Eye To Eye” @ドゥ・バーンズ・アリーナ メリーランド州バルティモア

    セミファイナル o 豊田真奈美 (13:47 ~ ジャパニーズ・オーシャン・サイクロン・スープレックス)  デイジー・ヘイズ x

    豊田真奈美のアメリカデビュー戦となるチカラプロのボルティモア大会。豊田は常勝軍団のBDKに所属するデイジー・ヘイズと対戦。体格差をいかした攻めでデイジーに圧勝。豊田への「プリーズ・カム・バック!」チャントが会場内に鳴り響いた。


  • 澤宗紀 vs. ブライアン・ダニエルソン


    9月11日 EVOLVE 5 @ラーウェイ・レックセンター ニュージャージー州ラーウェイ

    先に澤宗紀が入場。リングサイドの観客はスタンディングで澤を迎える。次にブライアン・ダニエルソンが入場すると一段と大きい声援が上がる。コールされる前に両者がにらみ合い。会場の盛り上がりが頂点に達する。

    澤がブライアンをコーナーに詰めて蹴りの連打。一歩も引かないブライアンは、体勢を変えて澤に蹴りをぶち込んでいく。ロックアップはせずグラウンドに引き込もうとする澤。足首を極めようとするがブライアンが必至で抵抗する。両者の気迫は五分五分。

    グラウンドから抜けだしたブライアンは澤の背中に蹴り。もっと来いとばかりにブライアンを睨みつける澤。

    えぐい角度でエルボーをぶち込んでいくブライアン。観客から「オー!」というどよめきが起きる。エルボーを連続で食らってしまった澤はコーナーでダウン。

    ダウンした澤を強引に立たせて今度はヨーロピアンエルボーの連打。「レッツゴー!サーワー!」チャント発生。徐々に澤が攻めこまれていく。プエルト・リコから帰国したその足で試合にのぞんだブライアンだったが、そんな疲れなどまったく感じさせない鬼のような攻め。これがメジャーの凄さなのかタフネスすぎる。

    先程のお返しとばかり足首をがっちりと極めるブライアン。両脚をロックしたまま寝ている澤へ渾身のエルボーを振り下ろしていく。これがまたエグい。明らかにブライアンのファイトスタイルが従来のものと違うのが分かる。無駄なムーブを一切排除したストイックなプロレスが目の前で展開されていく。ブライアンの中に流れる“キラー”の血がそうさせたのだろうか。これがブライアンのやりたかったプロレス、そしてもう見ることの出来ないスタイルなのかと思うと、複雑な気持ちになった。

    ブライアンがブリッジをして極めていた両脚をさらに締め上げていく。たまらず澤がロープ際へエスケープ。ロープに貼付けにした澤の胸板へ蹴りを連打するブライアン。「ドスン!」という音があたりに響く。澤ぐったり。

    しかしロープの反動を利用して澤が起死回生のドラゴンスクリュー。息を吹き返した澤は、「ハイハーイ!」という掛け声と共に、ブライアンの顔面へ張り手張り手張り手の乱れ打ち。そのままブライアンをコーナーに押しこんで百烈拳。これが本物のバチバチだとばかりに、張り手キック張り手キック張り手キックキックキック張り手の猛攻。

    シャイニングウィザードにいこうとするその右足をがっちりとキャッチしてくるっと回転するとハーフボストンクラブで切り返すブライアン。こんなシャイニングウィザードの切り返し方は初めて見た。

    なおも攻めまくるブライアン。頭突きをぶちかますとバックを取って強引にジャーマンスープレックス。澤も負けじと蹴りで応戦。気合を入れなおしたのか澤の顔に精悍さが戻ってきた。

    フラフラになってリングに倒れこむ両者。ブライアンが澤の頬をフルスイングで張る。「パッーン!」というイイ音。勢いよく後ろへのけ反る澤。すると澤が「LETS GO バチバチ!!」と叫ぶと速射砲のような張り手をブライアンへと放っていく。

    澤の右ミドルキックを脇で抱えるようにキャッチするブライアン。そのままの状態でミドルキックを放つが、今度は澤がそれをキャッチ。両者片足のまま空いている右手で張り手合戦。そのまま円を書くようにして「バチッ!バチッ!」と音を立てながら回転する両者。観客は大ヒートアップ!

    ふらついたブライアンへ渾身の伊良部パンチ!これが見事にヒットするとブライアンがダウン。

    しかし澤も力尽きたのかその場にダウンしてしまう。すると観客がスタンディンオベーションで大声援。先に立った澤がシャイニングウィザード!そして最後の力を振りしぼるようにお卍固めがガッチリと決まる。タップしそうになるブライアンだがかろうじてロープエスケープに逃れる。

    ブライアンのローリングエルボーが澤の肩口にスマッシュヒット。そして膝をついて崩れ落ちる澤にバズソーキック。ブライアンがカバーに入るがツーで返す。休むことなくもう一度バズソーキックを放つと澤はその場にダウン。俯せになった澤の左腕を足で固めたままフェイスロックがガッチリと決まる。すると堪らず澤がタップアウト。ブライアン・ダニエルソンの勝利。

    いつもの人差し指を突き上げるポーズをするブライアン。「Best In The World!!」チャントが発生する。負けてしまった澤にも「サーワ!サーワ!」と大声援が送られる。

    握手した後、抱き合う両者。会場は大きな拍手で包まれた。


    WWEとバトラーツの戦いとも言える両者の戦いは、僅差でブライアン・ダニエルソンの勝利に終わった。技術的なこともさることながら、両者の気迫が痛いくらい伝わってくる素晴らしい試合だった。この試合にかける両者の意気込みがそのまま試合内容にでていたように思う。試合後のコメントでは手加減なしに真正面から戦ってきてくれたのが嬉しかったと語る澤宗紀。ブライアンのバチバチ性感帯をたっぷりと刺激できた喜びからか、澤の顔には満面笑みがあふれていた。日本のインディー界でいま一番忙しいレスラーと、WWEでいま一番話題のレスラーの対決。バチバチは決して言葉じゃ説明できない、感じるのものだということを分からせてくれた。こんなとんでもない試合を見せてくれた2人のレスラーに、感謝の気持ちでいっぱいである。


  • 矢野啓太 vs. グリーンアント


    8月29日 チカラプロ ”Young Lions Cup VIII – Night 3″ @ペンシルバニア州リーディング

    ゴッサムシティから抜けだしたジョーカーのようなメイクで入場の矢野啓太。どういった経緯でこういう顔になったかは一切不明。関わると面倒なことになりそうな人オーラがでまくりで、そのサイコな雰囲気に観客の反応はかなり引き気味だった。

    ゴング前に握手をする両者。あまり表情がかわらず冷静なところを見せる矢野に比べて、グリーンアントはかなりナーバスになっているのがそのマスク越しからもハッキリと見て取れた。

    矢野がグリーンアントの首を取り、そのまま上になって今度は腕を極めようとするがロープエスケープ。矢野がすかさずマウントを取って流れるような動きでグリーンアントの左足を極めにいく。するとグリーンアントも矢野の左足を取って極めにかかる。グラウンドのまま2人はしばらく膠着状態に。

    グリーンアントがヒールホールドを仕掛けると矢野はすかさずガード。STFから抜け出したグリーンアント。チョークスリーパーで矢野の首を締め上げていく。この時点で飛び技やロープワークは一切なし。柔術を習っていたということは聞いていたがグリーンアントがここまでグラウンドに対応できるレスラーだとは正直意外。今まで(ルチャスタイルの)チカラプロでは観ることの出来なかったプロレスが展開されていく。

    中盤をすぎると徐々にグリーンアントに疲れが見せはじめる。グリーンアントの触覚を掴んでアントンばりに顔面をマウントパンチしそうになる矢野だったが、レフェリーから触覚はダメと注意が入る。

    笑いながら腕を極めにいく矢野。不気味すぎる。観客も、え?何で笑ってんの?といった反応。矢野ワールド全開である。エルボーでグリーンアントの脇腹あたりをグリグリする矢野。いやらしい技で執拗に攻めつづける。このあたりから矢野の一方的な攻めが目立つようになる。

    しかしフィニッシュは突然やってくる。矢野がグリーンアントをコーナーにつめると、そのままカーフブランディング(仔牛の焼印押し)が見事にヒット。すると、グリーンアントがピクリとも動かなくなり、矢野がカバーに入ってスリーカウント。

    左腕を押さえながら悶絶するグリーンアント。それを見かねたセコンドのファイアーアントとソルジャーアントがリングに入ってくる。グリーンアントの左腕がぼっこりと腫れているのが見える。どうみてもアクシデント。会場がただ事ではない雰囲気になって静まり返ると、矢野が上を見上げて両手を合わせるボーズ。恐ろしいレスラーだと思った。この状況でもなおヒールに徹するプロレスラー矢野のプロ根性。状況判断が問われるアクシデントで、キャリア3年の矢野がとった行動は、いつもの「まァ!」だった。これには是非が当然あると思うが、とても難しいところだろう。

    試合を振り返ってみて、グリーンアントの敵に食らいついていくハートの強さが印象に残った。力の差はあったにせよ、グリーンアントのプロレスに対する姿勢みたいなものが前面に出ていた試合だった。しかし最後がアクシデントで終わってしまったことに関しては正直残念でならない。試合後の診査の結果、左上腕の骨折ということでグリーンアントはしばらく離脱するだろう。これをステップにまた一つ大きくなって欲しいし、真の決着という意味でも両者がまたどこかで戦うべきだと思う。にしても矢野啓太、恐ろしいレスラーである。


  • ヤングライオンズカップ8優勝者はフライトメア


    8月29日 チカラプロ ”Young Lions Cup VIII – Night 3″ @ペンシルバニア州リーディング

    若手を中心としたトーナメント戦のヤングライオンズカップ。今回も個性豊かなメンバーが勢ぞろいした。この日は3日間開催の最終日で客の入りもまずまず。観客の中にはフライトメアの私設応援団らしき一団もいた。

    決勝戦は、ルードスユニットのBDKでは若手ナンバーワンのリンセ・ドラド対、テクニコス(正規軍)のフライトメア。現在、チカラプロの主要タイトルを総ナメしているBDKだけに、大方の予想はヤングライオンズカップもBDKに取られてしまうのではないかというものだった。ところが、驚異の粘りを見せたフライトメアがハリケーンラナでリンセ・ドラドを破り、念願のヤングライオンズカップ優勝を果たした。僅差だった。ヒヤッとさせられる場面もあったが場内の盛り上がりが大変なことになっていた。人気実力ともに急成長中のフライトメアがついにBDKの勢いにストップをかけた好試合。これがテクニコスにとって反撃の狼煙となるのか。今後の盛り返しに期待したい。


  • Chikarasaurus Rex Photos


    7月25日 チカラプロ ”Chikarasaurus Rex: King of Show” @フィラデルフィア The (ECW) Arena

    ニンジャ・タートルがお出迎え(左) Tシャツ各種そろってます(右)

    第一試合 ファイヤーアント(×)&ソルジャーアント&グリーンアント&フライトメア <14分31秒 バーニング・スニックルフリッツ> トゥルサス&ティム・ドンスト&リンス・ドラド&ピンクアント(

    リングアナウンサーのギャヴィン・ラウドスピーカー

    第二試合 SHINGO() <10分02秒 ラリアット> イクイノックス(×)

    第三試合 アメージング・コング(×)&ライーシャ・サイード <11分31秒 ジャーマン・スープレックス・ホールド> サラ・デル・レイ&デイジー・ヘイズ(


    第四試合 CIMA()&望月成晃&スーパーシェンロン <15分17秒 メテオラ> イカルス&グラン・アクマ&チャック・テイラー(×)

    第五試合 オフィーディアン()&アマシス&ドレイク・ヤンガー <13分57秒 オシリアン・サクラメント> ヴィン・ジェラルド&スティグマ&コリン・デラニー(×)

    第六試合 トミー・ドリーマー&エディ・キングストン(×) <15分24秒 リコラ・ボム→体固め> クロウディオ・キャスタニョーリ&アレス(

    メインイベント マイク・クワッケンブッシュ()&ジグソー&ハロウウィキッド <16分53秒 クワッケンドライバー2> 吉野正人&土井成樹&B×Bハルク(×)