カテゴリー: Review

観戦記

  • ICW “The Aftermatch”


    5月15日 ICW “The Aftermatch” @ホーリークロスハイスクール体育館 ニューヨーク州フラッシング

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    団体活動を一時停止していたICW(Impact Championship Wrestling)が今年の3月19日に突如として復活。そして復活第2弾として、TNAからMCMG(アレックス・シェリー&クリス・セイビン)やホミサイド、元ECWのトミー・ドリーマー、日本からはTAJIRIが参戦。他にもクワイエット・ストームやSAT(マキシモ兄弟)、アメージング・レッドなどの地元勢に加え、マイキー・ウィプレック、クリストファー・ダニエルズ、ジェリー・リンなど豪華なメンツが揃った。

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    セミでトミー・ドリーマーとTNAのホミサイドが対戦。トミー・ドリーマーが入場すると観客から「ECW! ECW! ECW!」チャントが発生してまたすぐに消える。まずはドリーマーがマイクでご挨拶。この時点で興行開始から3時間以上が経っており、ほどんど観客はだらけぎみ。試合の方はびっくりするほど噛みあわず、消化不良のままホミサイドが勝った。

    これにはいろんな要因があると考えられるが、会場の都合で場外乱闘が全くなかったことや、椅子などの凶器攻撃も無しと、ECW的な展開を楽しみにしていたファンにとって物足りない内容だったことは否定できない。そしてまた、そんな通常の試合ルールなのに対戦相手がラフファイトが持ち味のホミサイドというのも疑問が残った。団体のプロモーションとしては成功したかもしれないが、試合内容としては残念だっととしか言いようがない。

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    メインイベントはTAJIRI対アメージング・レッド対スーパー・クレイジーのイリミネーションマッチ。怪しげな雰囲気を漂わせながらTAJIRIがリングインするとコーナーポストにのぼり毒霧を噴射。すると子どもたちが大はしゃぎ。TAJIRI人気はいまでも健在のようだ。そしてスペシャルレフェリーとして元ECWのマイキー・ウィプレックがリングイン。つるピカハゲ丸くんばりの丸坊主に贅肉もついて一瞬誰だか分からなかったが、それっぽい雰囲気は残っていた。

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    元ECW同士の意地悪ヒールコンビといった印象のTAJIRIとスーパー・クレイジーは、アメージング・レッドに集中攻撃をしかける。体のいい可愛がりのようにも見えるがこの構図がまた面白い。かと思えばレッドをキャメルクラッチの態勢に捕らたところに、田尻がレッドと見せかけクレイジーの顔面にミサイルキックをヒットさせる裏切りムーブ炸裂。これで流れが一気に変わっていく。そして最初にイリミネートされたのはスーパー・クレイジーだった。

    アメージング・レッドとの一騎打ちになると、更にヒールっぽさが濃くなるTAJIRI。グリーンミストでアメージング・レッドをからかうような仕草を見せると、レフェリーのマイキーが止めるように注意。ここからマイキーとTAJIRIの小競り合いが始まる。最後はTAJIRIがマイキーの裏切りにあって高速スリーカウントでアメージング・レッドの勝利。

    とにかく興行時間が長すぎて試合に集中できなかった。セミのトミー・ドリーマーの試合が終わると一気にお客さんが帰ってしまい、メインイベントのときには空席が目立っていた。詰め込みすぎの印象が否めない。これだけ豪華なメンツを揃えても、どれも印象に残らないのも珍しい。あとロープがへなへなでリング上のマットがこんもりと盛り上がっていたりとリングコンディションが最悪。それが原因で怪我してしまわないか心配になるほどだった。と挙げればキリがないが、そんな細かいことはどうでも良くなる瞬間がいくつかあって、本当に駄目すぎると一周まわってOKみたいなスイッチが入ってしまったのも確か。プロレスって…と、いろいろと考えさせられる大会だった。


  • EVOLVE 3


    5月1日 EVOLVE 3 @ラーウェイ・レックセンター ニュージャージー州ラーウェイ

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    第一試合のサミ・キャラハン対アダム・コール。両者ともEVOLVEデビュー戦ながらオープニングマッチにふさわしい気迫に満ちた試合展開に。コーナーから飛びつこうとしたアダム・コールを下でガッチリと受け止めそのままパワースラムでマットに叩きつけるサミ・キャラハン。いまロングタイツや派手なショートタイツが多いなか、あえてツーショルダータイツ(吊りパン)というチョイスがなんとも鶴見五郎で昭和な雰囲気を漂わせている。最後はストレッチマフラー(変形の逆片エビ固め)でサミ・キャラハンのタップアウト勝ち。これからが楽しみな選手だ。

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    第二試合ではリコシェがジョニー・ガルガノと対戦。ずる賢い動きのガルガノに対してハイフライヤーらしいキレの良い飛び技を繰り出していくリコシェ。そんな攻防の一つ一つを観客は集中して観ている。最後は両者リングアウトになり一度はゴングが鳴らされるが、最初にリングインした方が勝ちという完全決着ルールがリングアナからコールされる。両者とも生まれたての子馬のようにプルプルと立ち上がり、そして最初にリングインしたのはジョニー・ガルガノだった。ユーチューブに自分撮り(Johnny Gargano Power Hour)でプロレスを語りまくり、面白動画をアップロードし続けるガルガノは、後からじんわりと来るものがある。

    第四試合のチーム・ビヨンド、アエロフォーム、そしてアップ・イン・スモークのスリーウェイタッグマッチがこれまた素晴らしい内容だった。特に、Beyond Wrestling(オハイオ州を拠点に活動中)などに出場しているジェイソン・パトリックとチェイス・バーネットのチーム・ビヨンドは、見た目はどこにでもいる若手インディーレスラーだが、空中技に関してはかなりの素質を持っている。アエロフォームのフリップ・ケンドリックと並んで次世代ハイフライヤーのうちの1人であるのは間違いないだろう。

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    こちらもEVOLVEデビュー戦のドレイク・ヤンガーとジョン・モクスレイが第五試合で対戦。序盤はレスリング主体の試合運びで意表をつかれた。明らかにCZWのファンという風貌のお客さんがドレイク・ヤンガーに大ブーイング。対するモクスレイには大きな拍手と声援が送られていた。で、「良い」とは聞いていたがモクスレイがすこぶる良かった。憎たらしい表情やカラダの大きさ、そしてなによりレスラー然とした雰囲気がたまらない。

    後半に入るといつものようなラフファイトが中心となっていく。凶器は使わないものの噛み付き攻撃でモクスレイの額から流血。そして流血した額に頭突きと噛み付き攻撃を続けるヤンガー。さらには場外戦にまで持ち込んでいく。いままでの流れからしてEVOLVEに流血戦は無いものと勝手に思い込んでいたが、やはりというかこの二人なら致し方ないだろう。今後はこういうゴツゴツした激しい試合もEVOLVEには必要な気がした。試合はドレイク・ヤンガーの勝利。

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    前回のEVOLVE2ではクロウディオ・キャスタニョーリと素晴らしい試合を見せてくれたボビー・フィッシュ。相手は前日の試合で目を負傷したクリス・ヒーロー。序盤のキャッチレスリングのあと両者エルボー合戦がはじまる。クリスの強烈なエルボーでボビーのマウスピースがすっ飛ぶ。速くて重い蹴りでクリスを何度もぐらつかせるボビーだったが、最後はローリングエルボー3連発でクリスの勝利。EVOLVE2で日高郁人のセコンドに付いていたブラッド・アレンがリングインしてくると、クリスに対戦を要求する。しかしクリスは無言でリングをあとにする。この試合でもクリスの上手さが光った。クリスのレスリングテクニックの評価が前回の日高戦でまた一段と上がっているらしい。いつものハイスパート主体の試合はそれなりに魅力的だが、EVOLVEでしか観せないクリスのレスリングスタイルとても興味深い。次回ブラッド・アレンの挑戦を受けるのかどうか気になるところ。

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    足の怪我でEVOLVE2を欠場したTJP。肘でカイルの背中をグリグリしたり、関節をきつく締め上げたりとエゲツない攻めを見せる。ステップワークから見て怪我の具合は心配なさそうだ。対するカイルは必死に食らいつこうとひたすら動きまわる。カイルがロープを使ってのジャンピングニーそして変形のコブラツイストが決まる。得意の起き上がり小法師式ダブルアームスープレックスにアンクルホールドと面白いように技が決まるカイル。動きに無駄がなくスピードもある。終盤になると蹴り合いの末に両者ダウン。観客からは「This Is Awesome !」チャントが発生。最後は変形の片エビ固めでTJPの勝利。試合後のインタビューで澤宗紀との再戦をアピールしたTJP。すると観客からは大きな歓声が上がった。敗れはしたものの澤との試合はかなり評価が良いだけに、この2人の再戦に注目が集まる。

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    メインイベントはクロウディオ・キャスタニョーリ対チャック・テイラーの一戦。メインイベントのカードをファン投票で決めるという企画で実現したこのカード。実力差がハッキリと出た内容となった。インディーではトップクラスのパワーを誇るクロウディオ。序盤はそのパワーでチャック・テイラーを徹底的に痛めつける。そしてクロウディオはリング下に落ちたチャックを担ぎ上げると、なんとそのままトップロープ越しにリングへと投げ入れる。パワーありすぎ。休むことなくジャイアントスイングからそのままボストンクラブに決めるとチャックがもう虫の息。してまたチャックを肩に担いだまま立ち上がってクルクルと回りだす。しかも手を離して首だけで支えてクルクルクルクルー。キン肉マンっぽい技で観客もヒートアップしていく。しかし、クロウディオの攻撃をなんとか凌いだチャックは、一瞬のすきにオメガ・ドライバーを決め、クロウディオからスリーカウント奪取。誰もがこのまま負けるだろうと思っていた矢先の逆転勝利だった。


    初参戦のサミ・キャラハン、ドレイク・ヤンガー、ジョン・モクスレイ、チーム・ビヨンドが、それぞれ自分の持ち味をしっかりと発揮できていたのが印象的だった。とにかく飛びまくる選手がいたかと思えば、スピードやパワーで押し切る選手がいたりと、全体的にメリハリがあって今まで以上に観やすかった。逆に言うと、盛り上がった試合とそうでない試合との差が少ない分、印象に残るような場面が少なかったようにも感じた。やはり新しいことをやろうとしているのだからもっと「これは一体何なんだ?」、という驚きがもう少し欲しかった。それにはやはり日本人選手の参戦が不可欠なのか。まだまだ手探り感がただようEVOLVE、次はどんなカードが組まれるのだろうか。いまから楽しみだ。尚、今後のスケジュールは9月11日にニュージャージーで開催が決定している。


  • キング・オブ・トリオス2010 レビュー(Part.2)


    3月23・24・25日 チカラプロ キング・オブ・トリオス2010 @フィラデルフィア  The (ECW) Arena

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    チカラプロ初参戦ということもあってか初戦は少しぎこちない動きもあったが、2回戦からは素晴らしい活躍を見せてくれた大阪プロレス勢。苦戦が予想された2回戦の“F.I.A.T.”には一進一退の攻防で大接戦の末になんと前年度優勝トリオを撃破。観客からは「オオサカ!オオサカ!」の大チャントが発生。試合後にスタンディングオベーションが起きたのが印象的だった。思うに、大阪プロレスのスタイルはチカラプロと非常に相性が良いのかもしれない。それに小峠のスピードあるロープワークはスタッフや関係者の中からも絶賛の声が聞かれるほど。来年もまたエントリーして欲しい。

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    休憩時間にはレスラー自らグッズの販売をしていた。黒カマキリの隣りにコブラのマスクが並んで、そしてその隣りには頭にカレーを乗っけたマスクマンがいるというなんともワクワクする光景が。大日本プロレスの面々も負けじと大声を出していた。子供のファンから腕にマジックでサインをして欲しいと言われたカレーマンは、「いいの?腕にサインしても後で消えちゃうけど、本当にいいの?知らないよ!」とカタコトの英語でやさしく対応していたのが印象的だった。にしても腕にマジックでサインて…。

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    優勝候補の“BRUDERSCHAFT DES KREUZES(BDK)”に対抗できるトリオと言えば、このキング・オブ・トリオスまでの一 連の流れから考えても、アリ軍団の“THE COLONY”しかいない。実際に今年の決勝で対戦したが結果はルードス軍団のBDKが優勝。これで、ヤング・ライオンズ・カップを獲得したティム・ドンスト、今年3月にタッグチャンピオン(The Campeonatos de Parejas)になったクロウディオ・キャスタニョーリとアレス、そして今回のキング・オブ・トリオス制覇と、BDKがチカラプロのタイトルを総ナメしてしまったことになる。テクニコスの総大将であるマイク・クワッケンブッシュに、次の打つ手は果たしてあるのだろうか。

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    BDKの若手で結成したピンキー・サンチェスとティム・ドンストそれにリンス・ドラドのトリオがこれまた勢いがあって憎らしいほど強かった。BDKの怖さはクロウディオ・キャスタニョーリやトゥルサスなどのトップどころだけでなく、こういった若いチカラも粒ぞろいなところだ。特にピンキー・サンチェスは勢いに乗せると手がつけられないので要注意。それだけに次世代BDKにとってピンキーの動向がカギとなってくるだろう。

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    個人的にどうしても生で見てみたかったクイヘが想像を遥かにこえた小ささで驚愕。エントランスから姿を表したときには観客からどよめきが起きるほど。存在からして反則というかミニという分野がいまでも存在しているルチャリブレすごいと思った。対するカレーマンとロス・アイスクリームスもある意味反則。見た目は派手でコミックな路線ではあるが、技の一つ一つがどれも正確でキレがあった。特に試合にはあまり関係のないカレーマンのカレーダンスがダンス甲子園で優勝できるくらいキレキレだった。メロリンQも真っ青だ。恐らく中の人はかなりのテクニシャンでダンスの達人であることは間違いないだろう。

    それに比べてアレブリヘが太り過ぎで動けなさすぎ。同じくオリエンタルも動きは鈍かった。やはりクイヘの一人舞台となった。クイヘが小さすぎて試合がやりづらそうにするカレーマン。ロス・アイスクリームスと一緒にクイヘだけを集中攻撃すると観客からはブーイングが。クイヘを見慣れていない観客も多かったはずだが予備知識は一切不要な気がした。最後はアレブ リヘがクイヘを空高く投げてそのままアイスクリームスをボディプレスで沈めた。観客からは「ルーチャーリブレー!ルーチャーリブレー!」の大合唱。こういったミニの試合が楽しめるのもキング・オブ・トリオスならではだろう。

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    末っ子マラカイ・ ジャクソンが加入したことでジャクソン兄弟揃い踏みとなったが期待はずれだった。ジェネレーション・ミーとしてTNAで活躍しているマットとニックが凄 すぎるのか、末っ子マラカイがまだまだなのか、かなり微妙なトリオだった。そして素顔のリコシェとしてEVOLVEにも参戦しているヘリオスが相変わ らず無茶なダイブを見せていた。最後はヘリオスが630スプラッシュでマラカイ・ジャクソンをピン。


    今年もバラエティに飛んだメンバーが集結したキング・オブ・トリオスだったが、試合内容もさることながら会場の雰囲気がとても良かったの印象的だった。チカラプロの一大イベントだということをお客さんもちゃんと理解して選手と一緒になって盛上げていた。こういったインディーの特徴でもあるファン同士の心地よい一体感というのがキング・オブ・トリオスのシリーズを通して感じられたし、これはかなり癖になる、と思った。あまりプロレスを知らない人から、マスクマンの中の人の名前を全部言い当ててしまえるほどのコアな人まで、みんなが楽しめるキング・オブ・トリオス。来年は一体どんなレスラーが出場するのか、もういまから楽しみである。


  • キング・オブ・トリオス2010 レビュー(Part.1)


    3月23・24・25日 チカラプロ キング・オブ・トリオス2010 @フィラデルフィア The (ECW) Arena

    キング・オブ・トリオスはバラエティにとんだ人選と斬新なマッチメイクでも知られるチカラプロ主催の6人タッグトーナメントである。メキシコ、日本、古代エジプトといったワールドワイドなチカラプロきっての一大イベント。そして今年の注目選手といえば、いにしえのレスラーが現代に蘇ったマット・クラシック、ホット&スパイシーでおなじみのカレー・マン、そしてびっくりするほど小さいメキシコの英雄クイヘの3人が挙げられる。いずれもチカラプロ所属選手ではないが、年に一度のお祭りイベントには必要不可欠な選手たちばかり。

    更に日本からは大日本プロレスと大阪プロレスが出場するとあって、チカラプロのみならずコアなインディーファンも注目するイベントとなっている。そこで今回は印象に残った選手を中心に会場の雰囲気なども含めレビューしてみたいと思う。

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    チーム先祖返りとして出場したマット・クラシックがオールドスクールてんこ盛りな動きで期待を裏切らなかった。入場するなりライオンプッシュアップとヒンズースクワット(しかも深く速く)でウォーミングアップしはじめるクラシック。肌つやが良すぎ。すっぽりとヘソを隠した長めのタイツがこれまた渋い。意外だったのが子供から大人まで幅広いファン層に大人気だったこと。どう考えてもマニア向けレスラーのはずなのに「クラシック!クラシック!」と割れんばかりの大合唱ていう異常なノリ。それを聞いてああキング・オブ・トリオスはお祭りなんだと実感した。

    長めのタイツを引き上げながら相手との距離を詰めていくクラシック。技らしい技を一つも出していないのに観客からは大声援。得意のエアプレーンスピンが決まると完全にクラシックのペースに。勢い余ってコーナーのトップロープに上がるが途中で怖くなったのか一番下まで降りてそこからボディアタック。完璧な無駄ムーブ。観客からは「Holy Poo !!」の大合唱。ベアハッグ、相手をコーナにつめてヒッププッシュとゆるく攻め立てるが、最後はあっさりとイカルスにフォール負けしてしまう。このあっさり加減がまた堪らなくオールドスクールだった。勝ち負けを超越したマット・クラシックの一人舞台。また来年も出場して欲しい。

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    そしてチカラプロの常連外人となりつつある大日本プロレス勢が今年もエントリー。マイク・クワッケンブッシュ率いるチーム・フライトニング相手にパワー対スピード&テクニックの大熱戦に。関本大介がクワッケンブッシュとフライトメアを二人同時にバックドロップで投げる荒業を披露すると、観客からは「オーー!」とどよめきが起きる。恐らくチカラプロの観客にとって大日本プロレスはパワー系レスラーがいる団体という印象なのだろう。それに大日本のレスラーがとんでもない力技をみせてくれるという観客からの期待値が以前よりも高まっているようにも感じられた。

    ルチャ主体のチカラプロには大日本のパワーに対向できる選手は数えるほどしかいない。ハロウウィキッドもその一人だがさすがに分が悪いようだった。フライトメアの奇抜な空中殺法も歯が立たず仕舞い。最後は岡林裕二がフライトメアを担ぎ上げ、アルゼンチンバックブリーカーで締め上げてタップアウト。完璧な勝利でチーム大日本が一回戦を突破した。

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    ホルヘ・リベラ率いるチーム・メキシコの不参加により急遽エントリーすることになったオシリアン・ポータル。何故か敵対しているサラ・デル・レイとトリオを組まされることに。古代エジプトから来たのにブレイクダンスを踊るのがアマシス。「シーシー!」と不気味な音を出しながらくねくねとリングインするコブラのマスクがオフィーディアン。見た目のインパクトと古代から来たエジプシャンキャラという一風変わったタッグ屋の彼らは、いまやチカラプロで絶大なる人気を誇っている。

    対する“BRUDERSCHAFT DES KREUZES”は、チカラプロのタイトルを総ナメ中のルードストリオ。入場して来るなり観客からブーイングの雨あられ。リングインしてもブー!場外に下りてもブー!何をするにもブー!チカラプロの観客はそういう部分で徹底している。謎の巨漢マスクマンにぼこぼこにされながらも諦めずに立ち向かっていくアマシス。オフィーディアンも連携技で対抗していこうとするがサラ・デル・レイに邪魔されてしまう。クロウディオ・キャスタニョーリをあと一歩まで追い詰めながらも、最後はサラ・デル・レイの裏切りで負けてしまうオシリアン・ポータル。コミカルな動きだけでなく、気持ちを前面にだしたファイトもできる。そんな彼らはZERO1(5月5日と8日に初来日が決定している。生のオシリアン・ポータル、絶対に見逃せない。

    つづく


  • EVOLVE 2 雑感


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    EVOLVE2

    3月13日(土)。EVOLVE2が行われるこの日の天気予報は、数日前から大雨だった。大雨と言ったって、まあただの雨だろうと思っていたら大間違い!ニュージャージー州を中心に記録的暴風雨が発生し、45万8000戸で停電、公共の交通機関は停止、道路の至る所で浸水し各所で通行止めになるという悲惨な状況。木や電柱も倒れ、死者も出た大嵐の中、EVOLVE2は開催された。

    基本的な進行は、EVOLVE1と同じ。入場も前回と同様に同じ曲が流れての入場。アナウンサーはリング下から選手紹介。そして試合も速いペースでどんどん進み、今回も全11試合が3時間で終了した。やはり試合のテンポが良くどんどん進むと、見ている側としても集中しやすく試合をしっかりと見ることができる。今回も、前回に引き続きメインの試合でも皆が集中して試合を見ていた。これは本当に良い傾向だと思う。最近のアメリカインディーでは、とりあえず有名な選手を出しておこうという風潮にあり、特に内容もなくダラダラと試合を続けることが多い。

    その結果として客もダラダラしてしまい、興行自体がダラダラの印象になってしまう。一回の興業の第一試合からメインまでを、しっかりとパッケージとして考えている興業が少ない中、EVOLVEは1も2も本当によく練られていた。その点は、さすがゲーブ・サポルスキーの力というか、それこそが彼がベストブッカーとして今まで評価されてきた理由なのだと思う。

    気になるEVOLVE3は5月1日開催で、ドレイク・ヤンガーとサミ・キャラハンの参戦が発表されている。果たしてEVOLVEは今後どのように「進化」していくのか、そして参戦選手もどのように「進化」していくのか、ますますEVOLVEから目が離せない!


    【文:Shiori】